作文『先生から僕への贈り物』

永田先生が1回目肋軟骨移植術を行い、2回目耳介挙上術(耳立て手術)を成田富里徳洲会病院で行った小耳症の患者様が夏休みの作文で地区入選した『先生から僕への贈り物』を書いてくださいました。

先生から僕への贈り物

僕は、生まれた時から左耳がみんなと違う形でした。僕は、一度もこの左耳の形が嫌だと思うことはありませんでしたが、父と母が僕のために一生懸命病院を探して、手術を受けることになりました。

手術は2回する必要がありました。最初は埼玉県の病院で手術を受けました。前日は、夕食が喉を通らなくなるほど緊張しました。手術の当日、手術室へ向かうエレベーターの中で、看護師さんが、「いよいよだね。ここにいる子しか、こんな体験はできないからすごい事なんだよ。」と、笑顔で僕をはげましてくれました。

手術は十一時間におよぶ大手術でしたが、目が覚めた時は「もう、終わったの?」という感覚でした。
数日後、回診で病室に先生が消毒に来てくれた時、先生が持ってきた鏡で自分の耳を見せくてくれました。

夏休みの作文1

「感想はどう?」と、先生から聞かれて僕は、「すごいな。僕の耳ができている。」と、答えると、先生はとてもにこやかに笑っていました。入院中も、母が毎日来てくれたのでとても安心しました。

一回目の手術から九ヶ月後、千葉の病院で二回目の手術をしました。二回目の手術は耳を立ち上げる手術です。二回目も緊張感は変わりませんでしたが、手術の日に先生が僕の病室に来てくれて、「〇〇くん、よろしく。頑張ろうね。」と、言葉をかけてくれて、看護師さんが、「好きな曲は何かな。手術室に入った時、その曲を流すからね。」と、話してくれたのでうれしく思いました。

手術室で、僕が選んだ曲が流れてしばらくするとますいでいつの間にか眠っていました。目が覚めるとICUにいました。体がとてもきつく感じました。ICUに母が来て、「よく頑張ったね。もう手術は終わったからね。」

夏休みの作文2

と、声を掛けてくれました。
先生と看護師さんは毎日消毒に来てくれて、僕の耳をきれいに洗ってくれました。そしていよいよ退院する日。僕は生まれて初めて左耳に直接マスクのゴムをかけました。「やっと耳にかけられる。」という気持ちでいっぱいで、本当にうれしかったです。

 自分の骨と皮ふで作られた僕の左耳。こんな大変な手術が出来る先生がとても凄いなと思いました。前の耳も嫌ではなかったけれど、今はこの耳で良かったと思えるほどです。
父と母がこう言いました。「先生に本当に感謝しないといけないね。他にも、生まれた時から今までおじいちゃん、おばあちゃん、沢山の人たちが心配してくれて、たくさん協力してくれたから感謝だね。」

沢山の人たちに見守られて作られた僕の左耳。僕はこの耳を一生大切にしていきたいです。

夏休みの作文3

ご本人とご家族の許可を得て、全文を掲載いたします。