小耳症(右耳)の修正手術 瘢痕拘縮形成術 皮弁作成術 2024/4/2

I.K君 13歳男児の修正手術記録

施設名担当医師
成田富里徳洲会病院丸山成一
(ヒルズ美容クリニック)  
中島康代
(成田富里徳洲会病院)

解説

今回は、永田先生が2回目手術(挙上術)まで行った症例です。耳垂部分の瘢痕形成と、耳の角度が浅くなりマスクがかかりにくくなっていたので、くびれをつくるため修正手術を行いました。

I.K君 13歳男児の修正手術の術前
術前
I.K君 13歳男児の修正手術の術前、背面から診た状態
術前(背面)

永田先生が耳介挙上術を行ってから3年4カ月半が経過した状態です。

耳垂部分の瘢痕形成と、くびれを作りマスクがかかりやすいように改善する目的です。

耳裏のデザインと瘢痕部分の切除デザイン
デザイン(側面)
矢印部分の瘢痕を除去します
瘢痕部分

矢印の瘢痕部分を除去します。

耳裏を皮切し、挙上用肋軟骨ブロックを取り出している様子
術中

耳の後面を皮切し、もともとあった挙上用肋軟骨ブロックを取り出します。

肋軟骨ブロックを調整、瘢痕除去
術中

取り出した肋軟骨ブロックを調整し整えます。

また、瘢痕は除去しました。

術直後の側面から見た状態
術直後(側面)
ブロックを戻して縫合
術直後(前斜め)

ブロックを戻して縫合しています。

形良く挙上された状態
術直後の耳の角度

形よく挙上されています。

今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。

■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染、移植軟骨の露出

③糸やワイヤーの露出
傷跡が目立つ
薄毛・脱毛
長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。

※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。

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