小耳甲介型小耳症(右耳)の耳立て手術2024/1/16

W.K君 初診時9歳男児の2回目小耳症手術記録

施設名担当医師
成田富里徳洲会病院丸山成一
(ヒルズ美容クリニック)  
中島康代
(成田富里徳洲会病院)

解説

2022年12月に成田富里徳洲会病院で、1回目肋軟骨移植術を行った小耳甲介型小耳症(右耳)の症例です。1回目手術から1年1カ月が経過し、耳介挙上術(耳立て手術)を行いました。その後、術後2カ月が経過し、検診に来院されました。耳介は後戻りすることなく、しっかり立っていることが確認出来ました。

手術と経過

2024年1月16日小耳甲介型小耳症(右耳)の耳立て手術
術前
2024年1月16日小耳甲介型小耳症(右耳)の耳立て手術 デザイン
術前

耳介挙上術(耳立て手術)のデザインです。

2024年1月16日小耳甲介型小耳症(右耳)の耳立て手術耳を立てるための肋軟骨ブロックを作成しています。
左:真上からみた形
右:真横から見た形

耳を立てるための肋軟骨ブロックを作成しています。

健側(左耳)の下部分が立っている(角度がある)ため、挙上軟骨(肋軟骨ブロック)もその角度に合わせて厚みを調整

この症例は、健側(左耳)の下部分が立っている(角度がある)ため、挙上軟骨(肋軟骨ブロック)もその角度に合わせて厚みを調整し、作成しました。

浅側頭筋膜(TPF)を挙上している状態

浅側頭筋膜(TPF)を挙上しています。

術直後の状態
術直後
術直後の状態
術直後
耳介の角度
術直後

再建した耳介はしっかり立っています。

wk君2回目手術後 2ヶ月経過 横
術後  2ヶ月
wk君2回目手術後 2ヶ月経過 斜め
術後 2ヶ月
wk君2回目手術後 2ヶ月経過 前
術後 2ヶ月
wk君2回目手術後 2ヶ月経過 背面
術後 2ヶ月

再建した耳介は後戻りすることなく、前後から見てもしっかり立っているのが分かります。

この患者様の全ての手術記録 → 


今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。
■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染、移植軟骨の露出

③糸やワイヤーの露出
傷跡が目立つ
薄毛・脱毛
長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。

※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。

※ブログの文章、写真画像、イラスト等の著作権はヒルズ美容クリニック及び関連会社が保有します。許可なく無断複製・引用・使用を禁じます。