耳垂残存型小耳症(右耳)の耳立て手術 2024/4/5

施設名担当医師
成田富里徳洲会病院丸山成一
(ヒルズ美容クリニック)  
中島康代
(成田富里徳洲会病院)

解説

テキストテキスト

手術と経過

NMさん15歳女児の2回目小耳症の術前横向き
術前
NMさん15歳女児の2回目小耳症手術術前の状態
術前

2022年11月に成田富里徳洲会病院で1回目肋軟骨移植術を行った耳垂残存型小耳症(右耳)の症例です。

1回目手術から1年4カ月半が経過し、このたび耳介挙上術(耳立て手術)を行いました。

全体のデザイン
術前

耳介挙上術(耳立て手術)のデザインです。

頭皮分層皮膚を採取し浅側頭筋(TPF)を挙上
術中

頭皮分層皮膚を採取しています。

浅側頭筋(TPF)を挙上しています。

術直後の状態、左耳の角度に合わせて低めに挙上
術直後

左の耳はあまり高くないので、それに合わせて低めに挙上しています。

耳の角度を把握するための術前写真背面からの撮影
術前記録用
耳の角度を確認するための写真

合わせる耳の角度がわかるように、前もって記録写真を撮っています。

術直後の状態
術直後

これから時間とともに徐々に腫れが引いていきます。

この患者様の全ての手術記録 → 


今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。
■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染、移植軟骨の露出

③糸やワイヤーの露出
傷跡が目立つ
薄毛・脱毛
長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。

※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。

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