耳垂残存型小耳症(左耳)の耳立て手術 2023/6/1

施設名担当医師
成田富里徳洲会病院丸山成一
(ヒルズ美容クリニック)  
中島康代
(成田富里徳洲会病院)

解説

昨年8月に成田富里徳洲会病院で、1回目肋軟骨移植術を行った症例です。1回目手術から約10カ月後、2回目の手術『耳介挙上術(耳立て手術)』を行いました。2回目の手術から1カ月半後の経過と、検診10カ月半後の状態ですが、とても良好な経過です。

T.A君 手術前の状態
最初の状態
T.A君 手術後10カ月経過(耳立て手術前の状態)
1回目の手術後10ヶ月経過(耳立て手術前の状態)

手術と経過

耳介挙上術(耳立て手術)のデザインです。

耳介挙上術(耳立て手術)のデザインです。

小耳症は顔面神経が通常の走行をしていないことが多く、確認しながら慎重に行う必要があります。

小耳症は顔面神経が通常の走行をしていないことが多く、確認しながら慎重に行う必要があります。

浅側頭筋膜(TPF)を挙上しています。

浅側頭筋膜(TPF)を挙上しています。

頭皮分層皮膚を採取しています。

頭皮分層皮膚を採取しています。

手術直後の耳の状態
2回目手術(耳立て)直後
耳の角度。再建した耳はしっかり立っています

再建した耳介はしっかり立っています。

2回目手術後1カ月半経過の横から見た状態
2回目術後 1カ月半経過
2回目手術後1カ月半の拡大した耳の状態
2回目術後 1カ月半経過
2回目手術後1カ月半の正面からみた状態
2回目術後 1カ月半経過
2回目手術後1カ月半の背面からみた状態
2回目術後 1カ月半経過
2回目手術後1カ月半のマスクをつけて正面からみた状態
2回目術後 1カ月半経過
2回目手術後1カ月半のマスクをつけた状態。マスクはきちんと耳にかけられています。
2回目術後 1カ月半経過
眼鏡とマスクもつけやすくなりました。
2回目術後 1カ月半経過

眼鏡とマスクもつけやすくなりました。

2回目手術から10カ月半後、横から見た状態
2回目術後 10カ月半経過
2回目手術から10カ月半後、横から拡大して見た状態
2回目術後 10カ月半経過
2回目手術から10カ月半後、正面から見た状態
2回目術後 10カ月半経過
2回目手術から10カ月半後、背面から見た状態
2回目術後 10カ月半経過
術後10カ月半でマスクをつけて正面から見た状態
2回目術後 10カ月半経過
10カ月半経過のマスクをつけて横からみた状態。
2回目術後 10カ月半経過

10カ月半が経過した状態ですが、耳介は後戻りすることなくしっかり立っています。また耳の溝も埋まること無く出来ており、皮膚の色も良い状態です。

眼鏡とマスクも問題なく耳に掛けられています。

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今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。
■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染、移植軟骨の露出

③糸やワイヤーの露出
傷跡が目立つ
薄毛・脱毛
長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。

※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。

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