耳甲介型小耳症(左耳)の肋軟骨移植術 2023/11/21
N.Y君 手術時16歳男児の1回目小耳症手術記録。
施設名 | 担当医師 |
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成田富里徳洲会病院 | 丸山成一 (ヒルズ美容クリニック) |
中島康代 (成田富里徳洲会病院) |
解説
耳甲介型小耳症(左耳)の症例です。永田医師は、通常このようなタイプは耳珠の部分の軟骨を残してそれ以外の軟骨は除去していました。しかし、できるだけ元々の正常に形成された軟骨や、やわらかい耳垂は温存したいので、部分的に肋軟骨で耳介を再生しました。
また、今回の症例は16歳という年齢もあり、軟骨の状態がよくなかったので、上記のように部分的に作成しました。
STEP 01
耳甲介型小耳症の術前。
STEP 02
肋軟骨移植術の術前デザイン。
STEP 03
作成した3次元肋軟骨フレームと紙型。
通常のフレームとは形が違いますが、元の耳介軟骨へと徐々に移行させていくように、また組み合わせられるように計算して作成しています。
STEP 04
肋軟骨フレームを挿入。
STEP 05
3次元肋軟骨フレームを皮下ポケットへ移植して再建した耳介。
STEP 06
まだ抜糸前の状態ですが、腫れはあまり目立ちません。
STEP 07
赤みや腫れがありますが、耳介の形はハッキリでています。
STEP 07
術後6.5カ月が経過した状態です。赤みや腫れは落ち着き、耳の輪郭が綺麗にでています。
次回は耳介挙上術(耳立て手術)を行います。
今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。
■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染(MRSAなど)、移植軟骨の露出
③糸やワイヤーの露出
④傷跡が目立つ
⑤薄毛・脱毛
⑥長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
⑦長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。
※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。
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