耳垂残存型小耳症(左耳)の耳立て手術 2023/9/19

施設名担当医師
成田富里徳洲会病院丸山成一
(ヒルズ美容クリニック)  
中島康代
(成田富里徳洲会病院)

解説

昨年9月に成田富里徳洲会病院で、1回目肋軟骨移植術を行った症例です。1回目手術から1年が経過し、このたび耳介挙上術(耳立て手術)を行いました。

2回目の手術から8カ月が経過した状態です。再建した耳介はしっかり立っています。

手術と経過

耳垂残存型小耳症、1回目手術の術前の状態
1回目手術の術前の状態
2回目手術の術前(1回目手術から1年経過)
2回目手術の術前(1回目手術から1年経過)
耳介挙上術(耳立て手術)のデザイン
デザイン

耳介挙上術(耳立て手術)のデザインです。

小耳症の術中、顔面神経の確認
術中

小耳症は顔面神経が通常の走行をしていないことが多く、確認しながら慎重に行う必要があります。

浅側頭筋膜(TPF)を挙上する
TPFの挙上

浅側頭筋膜(TPF)を挙上しています。

術中(頭皮分層皮膚の採取)
術中(頭皮分層皮膚の採取)

頭皮分層皮膚を採取しています。

2回目手術直後の状態
術直後
2回目手術術直後(耳の角度)
術直後(耳の角度)

再建した耳介はしっかり立っています。

2回目手術後、8カ月が経過、側面から見た状態
2回目手術後 8カ月経過
2回目手術後8カ月が経過した状態、全体のバランス
2回目手術後 8カ月経過
2回目手術後の8カ月経過、正面から見た状態
2回目手術後 8カ月経過(正面)

2回目手術後、8カ月が経過した状態です。

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今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。
■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染、移植軟骨の露出

③糸やワイヤーの露出
傷跡が目立つ
薄毛・脱毛
長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。

※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。

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