耳甲介型小耳症(右耳)の肋軟骨移植術 2025/7/29

Y.O君手術時9歳男児の1回目小耳症手術記録

施設名担当医師
成田富里徳洲会病院丸山成一
(ヒルズ美容クリニック)  
中島康代
(成田富里徳洲会病院)

解説

術前(右耳小耳症)

右側が耳甲介型(じこうかいがた)小耳症の症例です。2025年7月に成田富里徳洲会病院にて、小耳症手術1回目の肋軟骨移植術を行いました。

1回目手術(肋軟骨移植術)では、肋軟骨を採取して、耳の枠組みとなる肋軟骨フレームを作成します。耳の本来の位置に作成した肋軟骨フレームを挿入し、耳の輪郭を作ります。

【耳甲介型小耳症とは】耳甲介型小耳症は、耳垂・耳珠・耳甲介が比較的しっかりと形成されているタイプです。上の部分の構造だけが欠損していることが多く、再建は部分的で済む場合があります。

2カ月後経過

1回目肋軟骨移植術の術後2カ月が経過した状態です。比較的、腫れが目立たず耳の溝もしっかり出来ています。この状態ではまだ耳は立っていません。半年後の2回目手術で、耳立て(耳介挙上術)を行います。

※経過には個人差があります。

手術と経過

術前(右耳小耳症)
術前(右耳小耳症側の側面)
術前(斜めから見た右耳)
右耳(外耳道が存在する)
正面から見た状態
背面から見た状態
健側の左耳
健側の左耳を斜めから見た状態

健側(左耳)の耳を参考に耳介を作成します。

手術デザイン
手術デザイン(外耳道)

肋軟骨移植術のデザインです。

永田法の紙型(右)と3次元肋軟骨フレーム(左)
3次元肋軟骨フレームの厚み

採取した肋軟骨で、3次元肋軟骨フレームを作成します。

耳珠はあるので作成するフレームも上半分になります。

しかし、元々ある耳介軟骨と自然につながるように形は工夫しています。

術中
術中

皮弁形成を行いました。

  • 耳垂後面皮弁
  • 乳突洞部皮弁
  • 耳珠用皮弁

すべての遺残耳介軟骨を摘出しました。皮下ポケットを作成しました。

術後
術後

3次元肋軟骨フレームを皮下ポケットへ移植して再建した耳介です。

耳介の溝ができています。

次回は、耳介挙上術(耳立て手術)を行います。

手術後2カ月の経過
手術後2カ月の経過
手術後2カ月の経過
手術後2カ月の経過

手術後2カ月が経過した状態です。

比較的、腫れも目立たず、良好な経過です。耳の溝がしっかり出ていて後戻りもありません。

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今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。
■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染(MRSAなど)、移植軟骨の露出

③糸やワイヤーの露出
傷跡が目立つ
薄毛・脱毛
長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。

※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。

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