耳垂残存型小耳症(右耳)の耳立て手術 2024/3/1

施設名担当医師
成田富里徳洲会病院丸山成一
(ヒルズ美容クリニック)  
中島康代
(成田富里徳洲会病院)

解説

2023年6月に成田富里徳洲会病院で、1回目肋軟骨移植術を行った耳垂残存型小耳症(右耳)の症例です。1回目手術から8カ月半が経過し、このたび耳介挙上術(耳立て手術)を行いました。

S.Rさん 初診時9歳女児の術前の状態
最初の状態
S.Rさん 初診時9歳女児の1回目手術直後の状態
1回目の手術直後の状態

手術と経過

術前の斜めから診た状態
術前
耳立てのデザイン

耳介挙上術(耳立て手術)のデザインです。

肋軟骨ブロック
健側の耳(左耳)と耳の立ち方を合わせるため背面から撮影

肋軟骨ブロックは、健側(左耳)の耳の立ち方に合わせるように工夫して作成しています。

頭皮分層皮膚を採取し浅側頭筋膜(TPF)を挙上している状態

頭皮分層皮膚を採取しています。

浅側頭筋膜(TPF)を挙上しています。

手術直後の状態
手術直後の状態
術直後
耳の角度

再建した耳介はしっかり立っています。

手術直後のため腫れや赤みがありますが、時間の経過とともに徐々に治まります。

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今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。
■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染、移植軟骨の露出

③糸やワイヤーの露出
傷跡が目立つ
薄毛・脱毛
長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。

※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。

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