耳垂残存型小耳症(左耳)の肋軟骨移植術 2024/2/20

H.H君11歳男児の1回目小耳症手術記録

施設名担当医師
成田富里徳洲会病院丸山成一
(ヒルズ美容クリニック)  
中島康代
(成田富里徳洲会病院)

解説

作成した3次元肋軟骨フレームと紙型。
反対側(右耳)の耳もやや変形がありますが、ご本人とご家族の希望を考慮して
反対側の耳の形に近づけるように工夫しました。
永田のフレームを上の写真のように加工し肋軟骨のモデルを作成しました。
このように、なるべく反対側の形に近づける工夫を行っております。

手術と経過

H.H君11歳男児の術前の状態
術前
手術デザイン

肋軟骨移植術の手術デザイン。

皮弁形成を行い遺残耳介軟骨を摘出、皮下ポケット作成

皮弁形成を行った。

  • 耳垂前面皮弁
  • 耳垂後面皮弁
  • 乳突洞部皮弁
  • 耳珠用皮弁

すべての遺残耳介軟骨を摘出した。皮下ポケットを作成した。

3次元肋軟骨フレームを皮下ポケットへ移植して再建した耳介

3次元肋軟骨フレームを皮下ポケットへ移植して再建した耳介。

この患者様の全ての手術記録 → 


今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。
■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染、移植軟骨の露出

③糸やワイヤーの露出
傷跡が目立つ
薄毛・脱毛
長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。

※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。

※ブログの文章、写真画像、イラスト等の著作権はヒルズ美容クリニック及び関連会社が保有します。許可なく無断複製・引用・使用を禁じます。