耳垂残存型小耳症(右耳)の肋軟骨移植術 2023/5/9

N.H君11歳男児の1回目小耳症手術記録

施設名担当医師
成田富里徳洲会病院丸山成一
(ヒルズ美容クリニック)  
中島康代
(成田富里徳洲会病院)

解説

この患者様は、再建耳の対耳輪を通常の患者様に比べてまっすぐに作っています。 これは反対側(健側)の耳の形に合わせて作成したためです。

この患者様は、再建耳の対耳輪を通常の患者様に比べてまっすぐに作っています。
これは反対側(健側)の耳の形に合わせて作成したためです。
このように、なるべく健側の形に近づける工夫を行っています。

手術と経過

2023年5月9日
耳垂残存型小耳症(右耳)の肋軟骨移植術 術前
術前

皮膚は少し厚めの症例です。

2023年5月9日 耳垂残存型小耳症(右耳)の肋軟骨移植術 デザイン

皮膚の表面積が足りないので耳垂を2分割する手術デザイン

2023年5月9日 耳垂残存型小耳症(右耳)の肋軟骨移植術 
3次元肋軟骨フレームを
 皮下ポケットへ移植して再建した耳介。
手術直後

3次元肋軟骨フレームを皮下ポケットへ移植して再建した耳介。

ボルスター縫合固定を行って手術終了。

ボルスター縫合固定を行って手術終了。

術後8日目 ガーゼ交換の様子
術後 8日
術後8日目 ガーゼ交換の様子
術後 8日

ガーゼ交換の様子

術後2週間 抜糸前の状態
術後 2週間

抜糸前の状態

術後18日経過
術後 18日

術後 約7カ月
術後 約7カ月

術後18日の経過ではまだ腫れが目立ちますが、2カ月後の経過で腫れが落ち着き、耳の溝ができています。
7カ月経過ではよりハッキリと形がでています。

今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。
■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染(MRSAなど)、移植軟骨の露出

③糸やワイヤーの露出
傷跡が目立つ
薄毛・脱毛
長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。

※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。

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