小耳症(右耳)の修正手術(右耳軟骨露出部の再建)2023/10/27

T.Sさん 成人女性の修正手術記録

施設名担当医師
成田富里徳洲会病院丸山成一
(ヒルズ美容クリニック)  
中島康代
(成田富里徳洲会病院)

解説

今回は成人の方ですが、幼少期と成人後に他施設で14回にわたる小耳症手術を受けたものの、良好な結果に至らず、永田先生のもとで2013年5月に再々々建手術を行った症例です。その後10年と5カ月半が経過し、右耳の軟骨が露出したため、このたび修正手術を行いました。

また、マスクがかかりやすくなるように、耳輪前面にくびれを作りました。皮膚の足りない部分はもみ上げ部分から採皮
しています。採皮部の毛根は残っているので、のちに髪の毛が生えてわからなくなります。

手術記録 20231027-1

永田先生の再々々建手術から10年5カ月半が経過した状態です。

手術記録 20231027-2

手術記録 20231027-3

矢印部分が肋軟骨の露出部位です。

手術記録 20231027-4

フェイスリフトの技術を用いて、耳周囲の皮膚皮下を引き上げました。

手術記録 20231027-5

こうすることで耳垂の下の皮膚組織を余裕をもって、露出部位へ移動させることができます。

手術記録 20231027-6
手術記録 20231027-7

今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。

■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染、移植軟骨の露出

③糸やワイヤーの露出
傷跡が目立つ
薄毛・脱毛
長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。

※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。

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