耳垂残存型小耳症(左耳)の耳立て手術 2023/10/17

施設名担当医師
成田富里徳洲会病院丸山成一
(ヒルズ美容クリニック)  
中島康代
(成田富里徳洲会病院)

解説

小耳症(左耳)に対し、2021年10月に永田先生が肋軟骨移植術を行って再建した、『前傾した耳垂残存型小耳症』の症例です。耳介挙上術(耳立て手術)を引き継いで行いました。

17/October/20232回目手術
Before
17/October/2023 耳垂残存型小耳症(左耳)の耳立て手術 術後2.5月
After

手術と経過

17/October/2023
耳垂残存型小耳症(左耳)の耳立て手術 術前
術前

耳介挙上術(耳立て手術)のデザインです。

17/October/2023 耳垂残存型小耳症(左耳)の耳立て手術
耳を立てるための肋軟骨ブロック

肋軟骨ブロックは、再建した耳が後ろに倒れないように個々の状況で形を工夫しています。

17/October/2023 耳垂残存型小耳症(左耳)の耳立て手術浅側頭筋膜(TPF)を挙上しています。

浅側頭筋膜(TPF)を挙上しています。

17/October/2023 耳垂残存型小耳症(左耳)の耳立て手術頭皮分層皮膚を採取しています。

頭皮分層皮膚を採取しています。

17/October/2023 耳垂残存型小耳症(左耳)の耳立て手術
17/October/2023 耳垂残存型小耳症(左耳)の耳立て手術

手術直後

再建した耳介はしっかり立っています。挙上したことで耳の穴が深くなっています

17/October/2023 耳垂残存型小耳症(左耳)の耳立て手術 術後3週間
術後 3週間
17/October/2023 耳垂残存型小耳症(左耳)の耳立て手術 術後3週間
術後 3週間
17/October/2023 耳垂残存型小耳症(左耳)の耳立て手術 術後3週間
術後 3週間
17/October/2023 耳垂残存型小耳症(左耳)の耳立て手術 術後3週間
術後 3週間

再建した耳介はしっかり立っています。

耳の輪郭は時間の経過とともにハッキリしていきます。

17/October/2023 耳垂残存型小耳症(左耳)の耳立て手術 術後2.5月
術後 2ヶ月半
17/October/2023 耳垂残存型小耳症(左耳)の耳立て手術 術後2.5月
術後 2ヶ月半
17/October/2023 耳垂残存型小耳症(左耳)の耳立て手術 術後2.5月
術後 2ヶ月半

耳は後戻りすることなく、立っています。 徐々に輪郭もはっきりしてきました。

また髪の毛も、2カ月半で徐々に生えそろっているため、傷跡も目立ちません。

マスクもしっかり掛けられています。

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今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。
■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染、移植軟骨の露出

③糸やワイヤーの露出
傷跡が目立つ
薄毛・脱毛
長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。

※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。

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