耳垂残存型小耳症(右耳)の肋軟骨移植術 2025/6/3

T.Hさん成人男性の1回目小耳症手術記録

施設名担当医師
成田富里徳洲会病院丸山成一
(ヒルズ美容クリニック)  
中島康代
(成田富里徳洲会病院)

解説

耳垂残存型小耳症の患者様(成人男性)です。2025年6月に成田富里徳洲会病院にて1回目小耳症手術を行いました。小児だけではなく、この患者様のように成人になってから小耳症手術を受ける方もおられます。

1回目手術(肋軟骨移植術)では、肋軟骨を採取して、耳の枠組みとなる肋軟骨フレームを作成します。耳の本来の位置に作成した肋軟骨フレームを挿入し、耳の輪郭を作ります。

【耳垂残存型小耳症とは】耳垂残存型小耳症は、耳垂(耳たぶ)だけが形成されているタイプの小耳症です。耳珠や耳介全体を新たに作るケースが多く、耳介全体の再建が必要となります。再建範囲が広いほど皮膚の使用量も増え、手術の難易度は高くなります。

1回目手術後 2.5カ月の経過

1回目肋軟骨移植術の術後2.5カ月が経過した状態です。本来、耳のあるべき位置に耳の形が出来ています。この状態ではまだ耳は立っていません。次回、半年後に耳を立てる手術(耳介挙上術)を行います。

手術と経過

術前日(小耳症側の右側面)
術前日(右斜め)
術前日(正面)
術前日(背面)
左斜め(健側の左耳)
左側面(健側の左耳)

右側が耳垂残存型小耳症の患者様の手術前日の状態です。健側の左耳を参考に耳介を形成します。

デザイン

肋軟骨移植術の手術デザインです。

術中

皮弁形成を行いました。

  • 耳垂前面皮弁
  • 耳垂後面皮弁
  • 乳突洞部皮弁
  • 耳珠用皮弁

すべての遺残耳介軟骨を摘出し、皮下ポケットを作成しました。

写真左:3次元肋軟骨フレーム
写真右:永田法の型紙

永田法の型紙をもとに3次元肋軟骨フレームを作成し、健側(左耳)の形に合わせて細かく調整します。

術直後

3次元肋軟骨フレームを皮下ポケットへ移植して再建した耳介です。耳の溝がしっかりできています。

次回は耳介挙上術(耳立て手術)を行います。


1回目手術後 2.5カ月が経過した状態

1回目手術後 2.5カ月が経過した状態

手術後、2.5カ月が経過した状態です。耳の溝がしっかり出来ています。

やや腫れは見られますが、時間の経過とともに落ち着いていきます。

この患者様の全ての手術記録 → 


今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。
■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染(MRSAなど)、移植軟骨の露出

③糸やワイヤーの露出
傷跡が目立つ
薄毛・脱毛
長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。

※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。

※ブログの文章、写真画像、イラスト等の著作権はヒルズ美容クリニック及び関連会社が保有します。許可なく無断複製・引用・使用を禁じます。