耳甲介型小耳症(左耳)の肋軟骨移植術 2026/1/20

I.S君手術時11歳男児の1回目小耳症手術記録

施設名担当医師
成田富里徳洲会病院丸山成一
(ヒルズ美容クリニック)  
中島康代
(成田富里徳洲会病院)

解説

左耳が耳甲介型小耳症の症例
左耳が耳甲介型小耳症の症例

左側が耳甲介型(じこうかいがた)小耳症の症例です。このたび成田富里徳洲会病院にて、小耳症手術1回目の肋軟骨移植術を行いました。

1回目手術(肋軟骨移植術)では、肋軟骨を採取して、耳の枠組みとなる肋軟骨フレームを作成します。耳の本来の位置に作成した肋軟骨フレームを挿入し、耳の輪郭を作ります。

【耳甲介型小耳症とは】耳甲介型小耳症は、耳垂・耳珠・耳甲介が比較的しっかりと形成されているタイプです。上の部分の構造だけが欠損していることが多く、再建は部分的で済む場合があります。

手術と経過

左耳甲介型小耳症の術前
術前(左耳小耳症)
術前(左小耳症側の側面)
術前(左小耳症側の側面)
術前(斜めから見た左耳)
正面から見た状態
背面から見た状態
健側の右耳
健側の右耳

健側(右耳)の耳を参考に耳介を作成します。

手術デザイン
手術デザイン

肋軟骨移植術のデザインです。

右側:永田法の紙型
中央:3次元肋軟骨フレーム
左側:3D模型

採取した肋軟骨で、3次元肋軟骨フレームを作成します。

術中

皮弁形成を行いました。

  • 乳突洞部皮弁
  • 耳珠用皮弁

すべての変形のある上半分の耳介軟骨を摘出しました。皮下ポケットを作成しました。

術後

3次元肋軟骨フレームを皮下ポケットへ移植して再建した耳介です。

下半分は元々の耳介があるのでなだらかにつながる様に注意を払って再建しています。

耳介の溝ができています。

3D模型との比較
3D模型と比較した角度
耳垂部分の比較

今回の患者様は、健側右耳の耳垂にしゃくれがみられるため、3D模型を参考にして形を作成しています。
3D模型は挙上後の状態を想定したものとなっているため、今回は耳介の下半分を中心に形状を近づけています。
上半分については、次回の耳介挙上術(耳立て手術)のタイミングに合わせて調整していく予定です。

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今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。
■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染(MRSAなど)、移植軟骨の露出

③糸やワイヤーの露出
傷跡が目立つ
薄毛・脱毛
長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。

※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。

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