耳甲介型小耳症(右耳)の肋軟骨移植術 2026/1/6

M.M君手術時10歳男児の1回目小耳症手術記録

施設名担当医師
成田富里徳洲会病院丸山成一
(ヒルズ美容クリニック)  
中島康代
(成田富里徳洲会病院)

解説

耳甲介型小耳症(右耳)

右側が耳甲介型(じこうかいがた)小耳症の症例です。このたび成田富里徳洲会病院にて、小耳症手術1回目の肋軟骨移植術を行いました。

1回目手術(肋軟骨移植術)では、肋軟骨を採取して、耳の枠組みとなる肋軟骨フレームを作成します。耳の本来の位置に作成した肋軟骨フレームを挿入し、耳の輪郭を作ります。

【耳甲介型小耳症とは】耳甲介型小耳症は、耳垂・耳珠・耳甲介が比較的しっかりと形成されているタイプです。上の部分の構造だけが欠損していることが多く、再建は部分的で済む場合があります。

手術と経過

術前(右耳小耳症)
術前(右耳小耳症側の側面)
術前(斜めから見た右耳)
正面から見た状態
背面から見た状態
健側の左耳
健側の左耳

健側(左耳)の耳を参考に耳介を作成します。

手術デザイン
手術デザイン
外耳道が存在しているタイプ

肋軟骨移植術のデザインです。

右側:永田法の紙型
中央:3次元肋軟骨フレーム
左側:3D模型
3次元肋軟骨フレームの厚み

採取した肋軟骨で、3次元肋軟骨フレームを作成します。

健側の耳の形状を参考に耳介を作成するため、健側である左耳をスキャンし、そのデータを反転させて3Dプリンターで出力し、耳の模型を作成しています。永田法の型紙を基本としながら、この模型を参考にすることで、より健側の耳に近い形状となるよう工夫しています。

術中
術中
術中

皮弁形成を行いました。

  • 乳突洞部皮弁
  • 耳珠用皮弁

すべての変形のある上半分の耳介軟骨を摘出しました。皮下ポケットを作成しました。

術後
術後

3次元肋軟骨フレームを皮下ポケットへ移植して再建した耳介です。

元からある下半分の耳介軟骨と作成したフレームがなだらかにつながるように工夫しています。

耳介の溝ができています。

次回は、耳介挙上術(耳立て手術)を行います。

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今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。
■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染(MRSAなど)、移植軟骨の露出

③糸やワイヤーの露出
傷跡が目立つ
薄毛・脱毛
長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。

※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。

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