耳甲介型小耳症(右耳)の耳立て手術 2026/3/3

施設名担当医師
成田富里徳洲会病院丸山成一
(ヒルズ美容クリニック)  
中島康代
(成田富里徳洲会病院)

解説

1回目肋軟骨移植術の術前(小耳症側の右耳)

2025年7月に成田富里徳洲会病院で、1回目肋軟骨移植術を行った耳甲介型(じこうかいがた)小耳症患者様です。※写真は最初の耳甲介型小耳症の状態。

1回目手術の様子はこちら→『耳甲介型小耳症(右耳)の肋軟骨移植術 2025/7/15』

耳甲介型小耳症は、耳垂(耳たぶ)・耳珠・耳甲介が比較的しっかりと形成されているタイプです。上部構造のみ欠損していることが多く、再建は部分的で済む場合があります。

永田法小耳症では、小耳症は大きく5つのタイプに分けます
1回目肋軟骨移植術から約7.5カ月が経過した右耳

2025年7月の初回手術から約7.5カ月が経過した状態です。耳介は本来あるべき位置に出来ています。この状態ではまだ耳は立っていません。このたび、永田法における2回目の手術で、耳を立てる「耳介挙上術」を行いました。

手術と経過

2回目手術前(右側面から見た状態)
2回目手術前(右側面から見た状態)
2回目手術前(斜めから見た状態)
2回目手術前(正面から見た左右の状態)
2回目手術前(背面から見た状態)
2回目手術前(左斜めから見た状態)
2回目手術前(健側の左耳)

耳介挙上術(耳立て手術)の手術前の状態です。健側の左耳を参考に耳を立てます。

デザイン

耳介挙上術のデザインです。

術中

この患者様は、耳甲介型の小耳症で、もともと耳垂や耳珠・耳甲介は比較的しっかりと形成されていました。

そのため初回の肋軟骨採取で肋軟骨の余剰が生じ、この軟骨を胸部皮下にバンキングして保存していました。

バンキングとは、将来の再手術などに備えて、自分の軟骨を体内の別の部位(多くは胸部)に一時的に埋めて保管しておく方法です。今回の手術では、このバンキングしていた肋軟骨を取り出して使用しています。

新たに肋軟骨を採取する必要がなく、初回と同じ切開部から取り出すことができるため、新たな傷をつくらずに施術を行うことが可能です。

術中

浅側頭筋膜(TPF)を挙上しています。

作成した肋軟骨ブロックを耳裏に挿入して浅側頭筋膜(TPF)でカバーします。

カバーしたTPFの上に、頭皮から採取した皮膚(頭皮分層皮膚)を移植します。

術直後
耳介の角度

術直後で腫れや赤みが目立ちますが、時間の経過とともに落ち着いていきます。

この患者様の全ての手術記録 → 


今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。
■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染(MRSAなど)、移植軟骨の露出

③糸やワイヤーの露出
傷跡が目立つ
薄毛・脱毛
長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。

※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。

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