耳垂残存型小耳症(右耳)の耳立て手術 2026/2/24

施設名担当医師
成田富里徳洲会病院丸山成一
(ヒルズ美容クリニック)  
中島康代
(成田富里徳洲会病院)

解説

最初の状態

2025年6月に成田富里徳洲会病院で、1回目肋軟骨移植術を行った耳垂残存型(じすいざんぞんがた)小耳症の成人男性の患者様です。※写真は最初の耳垂残存型小耳症の状態。

1回目手術の様子はこちら→『耳垂残存型小耳症(左耳)の肋軟骨移植術 2025/6/3』

耳垂残存型小耳症は、耳垂(耳たぶ)だけが形成されているタイプの小耳症です。耳珠や耳介全体を新たに作るケースが多く、耳介全体の再建が必要となります。再建範囲が広いほど皮膚の使用量も増え、手術の難易度は高くなります。

永田法小耳症では、小耳症は大きく5つのタイプに分けます
1回目肋軟骨移植術から約8カ月半が経過した状態

2025年6月の初回手術から約8カ月半が経過した状態です。耳介は本来あるべき位置に出来ています。この状態ではまだ耳は立っていません。このたび、永田法における2回目の手術で、耳を立てる「耳介挙上術」を行いました。

手術と経過

2回目手術前(側面から見た右耳の状態)
2回目手術前(側面から見た右耳の状態)
2回目手術前(斜めから見た右耳の状態)
2回目手術前(斜めから見た右耳の状態)
2回目手術前(正面から見た状態)
2回目手術前(正面から見た状態)
2回目手術前(背面から見た状態)
2回目手術前(背面から見た状態)
2回目手術前(右耳の状態)
2回目手術前(右耳の状態)
健側の左耳
健側の左耳
健側の左耳

耳介挙上術(耳立て手術)の手術前の状態です。健側の左耳を参考に耳を立てます。

デザイン

耳介挙上術のデザインです。

肋軟骨ブロック(左)と永田法の紙型(右)

浅側頭筋膜(TPF)を挙上しています。

作成した肋軟骨ブロックを耳裏に挿入して浅側頭筋膜(TPF)でカバーします。

カバーしたTPFの上に、頭皮から採取した皮膚(頭皮分層皮膚)を移植します。

術直後の状態
2回目手術(耳立て)直後
術直後の状態
2回目手術(耳立て)直後

耳の溝ができています。

耳介の角度
耳介の角度

耳はしっかり立っています。

腫れや赤みは時間の経過とともに落ち着いていきます。

この患者様の全ての手術記録 → 


今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。
■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染(MRSAなど)、移植軟骨の露出

③糸やワイヤーの露出
傷跡が目立つ
薄毛・脱毛
長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。

※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。

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