耳垂残存型小耳症(左耳)の耳立て手術 2026/1/9

施設名担当医師
成田富里徳洲会病院丸山成一
(ヒルズ美容クリニック)  
中島康代
(成田富里徳洲会病院)

解説

最初の状態

2024年12月に成田富里徳洲会病院で、1回目肋軟骨移植術を行った耳垂残存型(じすいざんぞんがた)小耳症の患者様です。※写真は最初の耳垂残存型小耳症の状態。

1回目手術の様子はこちら→『耳垂残存型小耳症(左耳)の肋軟骨移植術 2024/12/3』

耳垂残存型小耳症は、耳垂(耳たぶ)だけが形成されているタイプの小耳症です。耳珠や耳介全体を新たに作るケースが多く、耳介全体の再建が必要となります。再建範囲が広いほど皮膚の使用量も増え、手術の難易度は高くなります。

永田法小耳症では、小耳症は大きく5つのタイプに分けます
1回目肋軟骨移植術から1年1カ月が経過した状態

2024年12月の初回手術から1年1カ月が経過した状態です。耳介は本来あるべき位置に出来ています。この状態ではまだ耳は立っていません。このたび、永田法における2回目の手術で、耳を立てる「耳介挙上術」を行いました。

手術と経過

2回目手術前(側面から見た左耳の状態)
2回目手術前(斜めから見た左耳の状態)
2回目手術前(正面から見た状態)
2回目手術前(背面から見た状態)
2回目手術前(健側右耳の状態)

耳介挙上術(耳立て手術)の手術前の状態です。右耳も軽度の変形がありますが、立ち方は問題ないため右耳を参考に耳を立てます。

デザイン

耳介挙上術のデザインです。

肋軟骨ブロック(左)と永田法の紙型(右)

健側の右耳の角度に合わせて、肋軟骨ブロックを作成します。再建耳が倒れてこないように支え部分を大きめに作成しています。

術中

浅側頭筋膜(TPF)を挙上しています。

作成した肋軟骨ブロックを耳裏に挿入して浅側頭筋膜(TPF)でカバーします。

カバーしたTPFの上に、頭皮から採取した皮膚(頭皮分層皮膚)を移植します。

2回目手術(耳立て)直後
2回目手術(耳立て)直後
2回目手術(耳立て)直後

耳はしっかり立っています。

腫れや赤みは時間の経過とともに落ち着いていきます。

この患者様の全ての手術記録 → 


今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。
■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染(MRSAなど)、移植軟骨の露出

③糸やワイヤーの露出
傷跡が目立つ
薄毛・脱毛
長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。

※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。

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