耳垂残存型小耳症(右耳)の耳立て手術 2025/7/4
N.H君 初回手術時9歳 男児の2回目小耳症手術記録
| 施設名 | 担当医師 |
|---|---|
| 成田富里徳洲会病院 | 丸山成一 (ヒルズ美容クリニック) |
| 中島康代 (成田富里徳洲会病院) |
解説




昨年10月に成田富里徳洲会病院で、1回目の肋軟骨移植術を行った耳垂残存型小耳症の患者様です。術後8カ月が経過し、今回2回目となる耳介挙上術(耳立て手術)を実施しました。
手術から1カ月が経過した現在の状態ですが、耳は後戻りすることなく、しっかりと立っています。まだ術後1カ月という早い段階のため、少し腫れや赤みがありますが、時間の経過とともに目立たなくなっていきます。
【耳垂残存型小耳症について】耳垂残存型小耳症は、耳垂(耳たぶ)だけが形成されているタイプの小耳症です。耳珠や耳介全体を新たに作るケースが多く、耳介全体の再建が必要となります。再建範囲が広いほど皮膚の使用量も増え、手術の難易度は高くなります。

手術と経過
STEP 01





2回目手術(耳介挙上術)前の状態です。
健側の左耳を参考に耳を立てます。
STEP 02

耳介挙上術のデザインです。
STEP 03

採取した肋軟骨で肋軟骨ブロックを作成し、細工します。
STEP 04

肋軟骨ブロックを耳裏に挿入し、浅側頭筋膜で覆います。その上を採取した頭皮分層皮膚でカバーします。
白いものが挙上用のブロックです。
STEP 05


手術直後の状態です。挙上することによって凹凸が出てさらに立体的になります。時間が経ってむくみが取れれば輪郭がはっきりしてきます。
STEP 06

再建した耳介はしっかり立っています。
STEP 07


耳立て手術後、1カ月が経過した状態です。耳は後戻りすることなく立っています。まだ1カ月という早い経過のため、耳裏の皮膚の色が異なって見えますが、時間の経過とともに馴染んで、目立たなくなります。
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今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。
■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染(MRSAなど)、移植軟骨の露出
③糸やワイヤーの露出
④傷跡が目立つ
⑤薄毛・脱毛
⑥長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
⑦長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。
※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。
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