耳垂残存型小耳症(左耳)の耳立て手術 2025/9/2

施設名担当医師
成田富里徳洲会病院丸山成一
(ヒルズ美容クリニック)  
中島康代
(成田富里徳洲会病院)

解説

最初の状態(耳垂残存型小耳症)

今年1月に成田富里徳洲会病院で、1回目肋軟骨移植術を行った耳垂残存型小耳症の患者様です。耳垂残存型小耳症は、耳垂(耳たぶ)だけが形成されているタイプの小耳症です。耳珠や耳介全体を新たに作るケースが多く、耳介全体の再建が必要となります。再建範囲が広いほど皮膚の使用量も増え、手術の難易度は高くなります。

永田法小耳症では、小耳症は大きく5つのタイプに分けます
1回目手術後7.5カ月経過した状態

1回目手術(肋軟骨移植術)では肋軟骨フレームを挿入し、耳の輪郭を作りました。写真は、手術後7.5カ月が経過した状態ですが、耳の溝はしっかりでており、腫れも赤みもありません。この状態ではまだ耳は立っていません。

1回目手術から半年以上が経過しているため、このたびの2回目手術で耳立て(耳介挙上術)を行いました。

手術と経過

2回目手術前の左耳(側面から見た状態)
2回目手術前(正面から見た状態)
2回目手術前の背面
小耳症側の左耳(斜めから見た状態)
健側の右耳(側面から見た状態)
健側の右耳(斜めから見た状態)

2回目手術(耳介挙上術)前の状態です。

健側の右耳を参考に耳を立てます。

デザイン

耳介挙上術のデザインです。

肋軟骨ブロック

採取した肋軟骨で肋軟骨ブロックを作成し、細工します。写真下方にある白いものが作成した挙上用のブロックです。

作成した肋軟骨ブロックを耳裏に挿入し、浅側頭筋膜で覆います。その上を採取した頭皮分層皮膚でカバーします。

術直後
術直後

手術直後の状態です。

術直後

再建した耳介はしっかり立っています。

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今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。
■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染(MRSAなど)、移植軟骨の露出

③糸やワイヤーの露出
傷跡が目立つ
薄毛・脱毛
長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。

※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。

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