ホーム > 小耳症別一覧 > 小耳甲介型(しょうじこうかいがた)
手術前
手術前
第2ステージ手術後
第2ステージ手術後
第2ステージ手術後
このブログの写真は小耳症治療をご理解いただくために、参考資料として掲載させていただいています。それぞれの症状によって、手術結果は異なりますのでご了承ください。
■小耳症手術による合併症
一過性の顔面神経麻痺 浅側頭動・静脈の血行不良による植皮の生着不良 感染、移植軟骨の露出 気胸 術後肺炎 縫合不全 ハゲ 床ずれ その他
上記のような合併症が生じた場合は、症状に応じて対処致します。場合によっては再手術を行う可能性もあります。
第1回目手術・3次元肋軟骨フレームの作成
図1:小耳症と同側の第6、7、8そして9番の肋軟骨を採取する。図2:採取した4本の肋軟骨。これらの肋軟骨から、メスと彫刻刀を用いて耳珠、ベースフレーム、耳輪脚と耳輪、上行脚と下行脚および対輪、を作成する。ベースフレームは、第6、第7番の肋軟骨から2個のパーツを作成し、38ゲージステンレスワイヤーを用いて6か所固定し作成する。図3:ベースフレームに第8番肋軟骨から作成した耳輪脚、耳輪のパーツの耳輪脚先端をベースフレーム8の中央で裏側に38ゲージワイヤーで2か所固定する。図4:耳輪の部分をベースフレームの上に乗せて、曲げながら3mmおきにワイヤー固定する。図5:上行脚、下行脚、対輪のパーツをベースフレームにワイヤー固定する。図6:耳珠のパーツをベースフレームに固定する。図7:耳甲介部をベースフレームの裏側にワイヤー固定すると3次元肋軟骨フレームが完成する。
第2回目手術・耳立て手術
第1回目の肋軟骨移植術後6か月経過した後第2回目の耳立て手術を行う。 耳立て手術のイラスト。図1:耳立て手術の手術デザイン。耳介後方の側頭部から頭皮分層皮膚を採取する。又、再建耳介を側頭部から切離するため耳介周囲を切開する。側頭部のジグザグ切開により、浅側頭動脈を含むTPFを挙上する。図2と5:頭皮分層皮膚を採取した場所、そして頭皮を切開してTPFを露出した状態を示す。図3と4:頭皮分層皮膚を15番メスで採皮する。図6:TPFを挙上した状態。図7:再建耳介を側頭部から剥離して挙上するために、耳介周囲より4mm外側を切開し、図8:頭髪毛根を含まないように15番メスで頭皮分層皮膚を挙上する。図9:再建耳介を頭部から剥離する。図10:耳輪の周囲の毛根部を切除する。図11:側頭部、乳突洞部の皮下を剥離する。図12:TPFは皮下トンネル下を通して再建耳介まで移動し、頭部皮膚は縫合閉鎖する。図13,14:第4番、第5番の肋軟骨を採取する。図15、16、17:肋軟骨ブロックを作成する。まず、肋軟骨ブロックのベースフレームを作成し、その上に別の肋軟骨を乗せて、2段重ねとして両端針付きの38ゲージステンレスワイヤーで20針固定を行う。作成した肋軟骨ブロックは下から見ると逆Ⅼ字をした形状に作成する。厚さ14ミリメートルの肋軟骨ブロックを作成するには2本の肋軟骨が必要。1本の肋軟骨を削って一刀彫でこれを作成しようとしても厚さ7ミリメートルしか作成できないので左右対称に耳介を立てることは絶対不可能となる。図18:肋軟骨ブロックを耳介の後面と、側頭部および乳突洞部の軟部組織に4-0白ナイロンを用いて密に縫合固定する。図19:TPFで、耳輪の頂点、耳介後面、移植肋軟骨ブロック、側頭部、乳突胴部まで広く被覆する。図20:余剰の肋軟骨は米粒大に細かく切り肋軟骨膜の中に入れ戻し肋軟骨膜を縫合し術後胸郭の変形が起こらないように肋軟骨採取部を縫合する。図21:側頭部と乳突洞部皮膚を上方と下方から皮下縫合して矢印のように皮膚欠損部が狭くなるよう縫い、毛髪部分で余分となった皮膚を3角形に切除縫合し、ドッグイヤーを修正する。図22:TPFの露出部の上に頭皮分層皮膚を移植し、6-0黒ナイロンで3mmおきに細かく縫合する。図23:4-ナイロンでタイオーバー用の糸を耳側に4か所、側頭部乳突洞部に4か所かけて、タイオーバー固定を行う。タイオーバーは翌日抜去し、6-0黒ナイロンは、10日後に抜糸する。図24:再建耳介を保護するためにレストンスポンジを耳介周囲に当てる。図25:ガーゼを当ててネットをかぶって手術終了する。
手術前
第2ステージ手術後
第2ステージ手術後
■手術前 :
典型的な小耳甲介型の小耳症
■第2ステージ手術後 :
耳介の細かい形状が再建されています。
■第2ステージ手術後 :
同じ患者さんの正常な左側の耳介との比較。左右の耳介を比較して正しい位置に形成されていることがわかります。
このブログの写真は小耳症治療をご理解いただくために、参考資料として掲載させていただいています。それぞれの症状によって、手術結果は異なりますのでご了承ください。
■小耳症手術による合併症
一過性の顔面神経麻痺 浅側頭動・静脈の血行不良による植皮の生着不良 感染、移植軟骨の露出 気胸 術後肺炎 縫合不全 ハゲ 床ずれ その他
上記のような合併症が生じた場合は、症状に応じて対処致します。場合によっては再手術を行う可能性もあります。
◆2014/10/16 「小耳甲介型小耳症の肋軟骨移植術」はコチラ