耳垂残存型小耳症(右耳)の肋軟骨移植術 2025/7/1

M.M君 初回手術時10歳 男児の1回目小耳症手術記録

施設名担当医師
成田富里徳洲会病院丸山成一
(ヒルズ美容クリニック)  
中島康代
(成田富里徳洲会病院)

解説

耳垂残存型小耳症の患者様です。このたび成田富里徳洲会病院にて1回目小耳症手術を行いました。

手術と経過

術前(小耳症側の右耳)
術前(小耳症側の右耳)
術前(右側面から見た状態)
術前(右側面から見た状態)
術前(右斜めから見た状態)
術前(右斜めから見た状態)
術前(正面から見た状態)
術前(正面から見た状態)
術前(背面から見た状態)
術前(背面から見た状態)
左斜め(健側の左耳)
左斜め(健側の左耳)
左側面(健側の左耳)
左側面(健側の左耳)

耳垂残存型小耳症の症例です。

健側の左耳を参考に、耳介を形成します。

肋軟骨移植術の手術デザイン
デザイン

肋軟骨移植術の手術デザインです。

術中

皮弁形成を行いました。

  • 耳垂前面皮弁
  • 耳垂後面皮弁
  • 乳突洞部皮弁
  • 耳珠用皮弁

すべての遺残耳介軟骨を摘出し、皮下ポケットを作成しました。

3次元肋軟骨フレーム
写真左:3次元肋軟骨フレーム
写真右:永田法の型紙

永田法の型紙をもとに3次元肋軟骨フレームを作成し、健側(左耳)の形に合わせて細かく調整します。

3次元肋軟骨フレームを皮下ポケットへ移植して再建した耳介
術直後

3次元肋軟骨フレームを皮下ポケットへ移植して再建した耳介です。耳の溝がしっかりできています。

ボルスター縫合固定
ボルスター縫合固定

ボルスター縫合固定を行って手術終了です。

次回は耳介挙上術(耳立て手術)を行います。

この患者様の全ての手術記録 → 


今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。
■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染(MRSAなど)、移植軟骨の露出

③糸やワイヤーの露出
傷跡が目立つ
薄毛・脱毛
長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。

※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。

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