耳垂残存型小耳症(右耳)の耳立て手術 2025/5/27

施設名担当医師
成田富里徳洲会病院丸山成一
(ヒルズ美容クリニック)  
中島康代
(成田富里徳洲会病院)

解説

昨年7月に成田富里徳洲会病院で、1回目肋軟骨移植術を行った症例です。1回目手術から10.5カ月が経過し、このたび耳介挙上術(耳立て手術)を行いました。

最初の状態
1回目手術後10.5カ月経過した状態

手術と経過

2回目手術前の右耳(横から見た状態)
2回目手術前(斜めから見た状態)
2回目手術前(正面から見た状態)
健側の左耳

2回目手術(耳介挙上術)前の状態です。

健側の左耳を参考に耳を立てます。

デザイン

耳介挙上術のデザインです。

術中

浅側頭筋膜(TPF)を挙上し、頭皮から分層皮膚を採取しています。

術中

白いものが挙上用のブロックです。

術直後

肋軟骨ブロックを耳裏に挿入し、浅側頭筋膜で覆います。その上を採取した頭皮分層皮膚でカバーします。

耳の角度

再建した耳介はしっかり立っています。

術直後では腫れが見られますが、時間の経過とともに落ち着いていきます。

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今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。
■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染(MRSAなど)、移植軟骨の露出

③糸やワイヤーの露出
傷跡が目立つ
薄毛・脱毛
長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。

※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。

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