小耳症(左耳)の修正手術 左再々再々建挙上術 2025/4/15

K.Tさん 成人男性の修正手術記録

施設名担当医師
成田富里徳洲会病院丸山成一
(ヒルズ美容クリニック)  
中島康代
(成田富里徳洲会病院)

解説

過去に他施設で左耳の小耳症手術を行いましたが、満足した結果にならなかったため永田医師が再建手術を行った症例です。術後数年が経過し、耳裏の角度が浅くなりくびれがなくなったため、このたび成田富里徳洲会病院で再々再々建挙上術を行いました。

術前(左側)
術前(左側面)
術前(左斜め)術前(左側面)
術前(正面)
術前(背面)
健側(右耳)
健側(右斜め)

手術前の状態です。

左耳の位置が健側の右耳より下がっています。また耳裏の角度が浅くなっています。

デザイン

耳介再挙上術のデザインです。

黒いラインで切開を行います。また下がっている耳の位置も引き上げます。

術中
術中
術中

もともと入っていた肋軟骨ブロックを取り出し、新たに採取した肋軟骨と組み合わせて、倒れにくい肋軟骨ブロックを作成して挿入しています。

術直後
術直後

皮膚が足りない部分には周囲頭皮から採取した分層皮膚を植皮しています。耳の形を整えるために耳の前部では小皮弁を作成しています。

再建した耳はしっかり立っています。

今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。

■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染(MRSAなど)、移植軟骨の露出

③糸やワイヤーの露出
傷跡が目立つ
薄毛・脱毛
長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。

※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。

※ブログの文章、写真画像、イラスト等の著作権はヒルズ美容クリニック及び関連会社が保有します。許可なく無断複製・引用・使用を禁じます。