耳垂残存型小耳症(右耳)の肋軟骨移植術 2025/4/1
M.Hさん成人男性の1回目小耳症手術記録
施設名 | 担当医師 |
---|---|
成田富里徳洲会病院 | 丸山成一 (ヒルズ美容クリニック) |
中島康代 (成田富里徳洲会病院) |
解説
右側耳垂残存型小耳症の患者様です。このたび、成田富里徳洲会病院で1回目の小耳症手術(肋軟骨移植術)を行いました。
手術と経過
STEP 01






右側が耳垂残存型小耳症の症例です。
健側の左耳に合わせて、耳介を作成します。
STEP 02

肋軟骨移植術の手術デザインです。
STEP 03

皮弁形成を行いました。
- 耳垂前面皮弁
- 耳垂後面皮弁
- 乳突洞部皮弁
- 耳珠用皮弁
すべての遺残耳介軟骨を摘出し、皮下ポケットを作成しました。
STEP 04

3次元肋軟骨フレーム(写真左)と永田法小耳症の紙型(写真右)です。
今回は成人症例のため肋軟骨も非常に硬い状態ですが、その状態にあわせて工夫して作成しています。
STEP 05

3次元肋軟骨フレームを皮下ポケットへ移植して再建した耳介です。
輪郭がきれいに出ています。
次回、2回目手術で耳を立てる「耳介挙上術」を行います。
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今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。
■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染(MRSAなど)、移植軟骨の露出
③糸やワイヤーの露出
④傷跡が目立つ
⑤薄毛・脱毛
⑥長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
⑦長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。
※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。
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