折れ耳(左耳)の耳介形成術 2024/12/17

I.H君手術時6歳男児の1回目小耳症手術記録

施設名担当医師
成田富里徳洲会病院丸山成一
(ヒルズ美容クリニック)  
中島康代
(成田富里徳洲会病院)

解説

左耳が「折れ耳」で、右耳が耳甲介型小耳症の患者様です。「折れ耳」は、耳の上部が前に折れ曲がっている状態をいいます。今回の手術では左の折れ耳の手術を行いました。

※耳甲介型小耳症の右耳は来年夏頃に手術を行う予定です。

左耳:折れ耳
左耳:折れ耳
右耳:耳甲介型小耳症
右耳:耳甲介型小耳症

手術と経過

折れ耳の手術前の横から見た状態
術前(横)
折れ耳の手術前の正面から見た状態
術前(正面)
折れ耳の手術前の背面から見た状態
術前(背面)
折れ耳の手術前
折れ耳の手術前、耳の中の形成術デザイン
手術デザイン

折れ耳の耳介形成術のデザインです。

新たに耳輪・対耳輪・上行脚・下行脚を作成します。

折れ耳の手術前、耳の後ろの形成術デザイン
耳の後ろのデザイン
折れ耳の手術中
術直後

耳介が形成されました。

この後、形が安定するようにボルスター固定を行います。

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今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。
■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染(MRSAなど)、移植軟骨の露出

③糸やワイヤーの露出
傷跡が目立つ
薄毛・脱毛
長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。

※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。

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