耳垂残存型小耳症(左耳)の耳立て手術 2024/12/6

施設名担当医師
成田富里徳洲会病院丸山成一
(ヒルズ美容クリニック)  
中島康代
(成田富里徳洲会病院)

解説

昨年12月に成田富里徳洲会病院で、1回目肋軟骨移植術を行った症例です。1回目手術から11.5カ月が経過し、このたび耳介挙上術(耳立て手術)を行いました。

最初の状態
1回目の手術後11.5カ月経過

手術と経過

2回目耳立て手術前(側面から見た状態)
2回目耳立て手術前(斜めから見た状態)
2回目耳立て手術前(斜めから見た状態)
2回目耳立て手術前(正面から見た状態)
2回目耳立て手術前(正面から見た状態)
2回目耳立て手術前(背面から見た状態)
2回目耳立て手術前(背面から見た状態)

耳介挙上術(耳立て手術)前の状態です。

耳介挙上術(耳立て手術)のデザイン
デザイン

耳介挙上術(耳立て手術)のデザインです。

浅側頭筋膜(TPF)を挙上し
頭皮分層皮膚を採取している。
細工した肋軟骨ブロックを耳の後ろに挿入し、耳を立てる様子。
術中

浅側頭筋膜(TPF)を挙上しています。

頭皮分層皮膚を採取します。

細工した肋軟骨ブロックを耳の後ろに挿入し、耳を立てます。

また、耳前部の服地も除去しました。

TPFを翻転して肋軟骨ブロックを覆い、その上から頭皮分層皮膚を移植します。
術中

浅側頭筋膜(TPF)を翻転して肋軟骨ブロックを覆い、その上から頭皮分層皮膚を移植します。

2回目手術(耳立て)直後の状態
2回目手術(耳立て)直後
耳の角度
耳の角度

再建した耳介はしっかり立っています。

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今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。
■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染(MRSAなど)、移植軟骨の露出

③糸やワイヤーの露出
傷跡が目立つ
薄毛・脱毛
長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。

※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。

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