小耳甲介型小耳症(右耳)の耳立て手術 2024/11/1

施設名担当医師
成田富里徳洲会病院丸山成一
(ヒルズ美容クリニック)  
中島康代
(成田富里徳洲会病院)

解説

昨年11月に成田富里徳洲会病院で、1回目肋軟骨移植術を行った症例です。1回目手術から1年が経過し、このたび耳介挙上術(耳立て手術)を行いました。

最初の状態
1回目の手術後1年経過

手術と経過

術前(横から見た状態)
術前(斜めを向いた状態)
術前(正面を向いた状態)
術前(背面から見た状態)

耳介挙上術(耳立て手術)の術前です。

デザイン

耳介挙上術のデザインです。

前髪を残して剃毛すると髪を下ろしたときに剃った部位を隠しやすいので残す工夫をしています。また剃毛範囲そのものもなるべく狭くしています。

術中

浅側頭筋膜(TPF)を挙上しています。

肋軟骨ブロックを耳裏に挿入して浅側頭筋膜(TPF)でカバーします。

術直後

カバーしたTPFの上に、頭皮から採取した皮膚(頭皮分層皮膚)を移植します。

術直後
術直後の耳の角度

耳はしっかり立っています。

2回目手術後1.5カ月経過
2回目手術後1.5カ月経過

まだ1.5カ月後の経過ですが、綺麗な耳介が形成されています。後戻りも無く、耳が立っています。

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今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。
■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染(MRSAなど)、移植軟骨の露出

③糸やワイヤーの露出
傷跡が目立つ
薄毛・脱毛
長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。

※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。

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