耳垂残存型小耳症(右耳)の耳立て手術 2023/9/5

施設名担当医師
成田富里徳洲会病院丸山成一
(ヒルズ美容クリニック)  
中島康代
(成田富里徳洲会病院)

解説

昨年12月に成田富里徳洲会病院で、1回目肋軟骨移植術を行った症例です。1回目手術から約9カ月が経過し、このたび耳介挙上術(耳立て手術)を行いました。

手術と経過

耳垂残存型小耳症 肋軟骨移植術後、耳介挙上術(耳立て手術)術前の耳介の様子(横から頭全体)
術前(横)

1回目の肋軟骨移植術を行って再建した耳介です。

耳垂残存型小耳症 肋軟骨移植術後、耳介挙上術(耳立て手術)術前の耳介の様子(斜め前)
術前(斜め前)
耳垂残存型小耳症 肋軟骨移植術後、耳介挙上術(耳立て手術)術前の耳介の様子(正面)
術前(正面)
耳垂残存型小耳症 耳介挙上術(耳立て手術)のデザイン
デザイン

耳介挙上術(耳立て手術)のデザインです。

耳垂残存型小耳症 耳介挙上術(耳立て手術)術中の様子
術中

浅側頭筋膜(TPF)を挙上しています。左側に、頭の後ろ側から採取した頭皮分層皮膚、肋軟骨ブロックがあります。

耳垂残存型小耳症 耳介挙上術(耳立て手術)術直後の様子(横から)
手術直後(横から)
耳垂残存型小耳症 耳介挙上術(耳立て手術)術直後の様子(斜め前)
手術直後(斜め前)
耳垂残存型小耳症 耳介挙上術(耳立て手術)術直後の様子(上から)
手術直後(上から)

再建した耳介はしっかり立っています。

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今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。
■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染(MRSAなど)、移植軟骨の露出

③糸やワイヤーの露出
傷跡が目立つ
薄毛・脱毛
長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。

※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。

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