小耳症(右耳)の修正手術 右耳介再挙上術 2024/9/3

I.S君 手術時15歳男児の修正手術記録

施設名担当医師
成田富里徳洲会病院丸山成一
(ヒルズ美容クリニック)  
中島康代
(成田富里徳洲会病院)

解説

永田先生が4年前に再々建術を2回目手術(挙上術)まで行った症例です。耳後部の溝が浅くなったため、このたび再挙上術を行いました。

小耳症(右耳)の修正手術の術前横向
術前(横向き)
小耳症(右耳)の修正手術の術前斜め
術前(斜め)
小耳症(右耳)の修正手術の術前正面
術前(正面)
小耳症(右耳)の修正手術の術前背面
術前(背面)
小耳症(右耳)の修正手術の術前上から見た角度
術前(上から見た状態)

永田先生が耳介挙上術を行ってから4年が経過した状態です。右耳の後ろの溝が浅くなっています。

頭部のCT 正面からみた状態
頭部のCT(丸で囲った部分が異所性石灰化)
頭部のCT側面の状態
頭部のCT(丸で囲った部分が異所性石灰化)

溝が浅くなった原因の一つに側頭部の異所性石灰化(ゆっくりと骨のようなものができる)が考えられました。

丸印で示した部分です。今回はここもできるだけ除去して溝が出やすくしました。

修正手術のデザイン
デザイン(側面)
修正手術の耳裏のデザイン
デザイン(耳裏)

再挙上術のデザインです。

側頭部の異所性石灰化を認めます
術中(側頭部の異所性石灰化の部分)
異所性石灰部分の除去後
術中(異所性石灰化部分の除去後)
肋軟骨ブロックの挿入
術中(肋軟骨ブロックを挿入)

手術直後の耳介側面
術直後(耳介の側面)
術直後の耳介と耳裏の縫合
術直後
術直後の耳介の角度
術直後の耳介の角度

耳はしっかりと立っています。

今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。

■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染(MRSAなど)、移植軟骨の露出

③糸やワイヤーの露出
傷跡が目立つ
薄毛・脱毛
長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。

※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。

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