耳垂残存型小耳症(右耳)の耳立て手術 2024/7/5

施設名担当医師
成田富里徳洲会病院丸山成一
(ヒルズ美容クリニック)  
中島康代
(成田富里徳洲会病院)

解説

昨年8月に成田富里徳洲会病院で、1回目肋軟骨移植術を行った症例です。1回目手術から約11カ月が経過し、耳介挙上術(耳立て手術)を行いました。

手術後1.5カ月の検診では、良好な経過を確認できました。

手術と経過

耳垂残存型小耳症(1回目肋軟骨移植術前の状態)
耳垂残存型小耳症
(1回目肋軟骨移植術前の状態)

1回目肋軟骨移植術前の耳垂残存型小耳症の状態です。

2回目耳介挙上術 手術前の状態(右側)
2回目耳介挙上術 手術前の状態(右側)
2回目耳介挙上術 手術前の状態(右側斜め)
2回目耳介挙上術 手術前の状態(正面)
2回目耳介挙上術 手術前の状態(背面)
2回目耳介挙上術 手術前の状態(左側)
健側の耳

2回目手術(耳介挙上術)前の状態です。

健側の耳の角度を参考に、耳を立てます。

耳介挙上術のデザイン
デザイン

耳介挙上術のデザインです。

術中
術中

浅側頭筋膜(TPF)を挙上し
頭皮分層皮膚を採取
術中

浅側頭筋膜(TPF)を挙上しています。

頭皮分層皮膚を採取しています。

左側の耳の立っている角度が高めの症例のため、挙上用の肋軟骨ブロックも大きめになっています。

2回目手術(耳介挙上術)直後
2回目手術(耳介挙上術)直後
2回目手術(耳介挙上術)直後
2回目手術(耳介挙上術)直後
2回目手術(耳介挙上術)直後の耳の角度
2回目手術(耳介挙上術)直後の耳の角度

再建した耳介はしっかり立っています。

2回目手術後 1.5カ月経過
2回目手術後 1.5カ月経過
2回目手術後 1.5カ月経過

2回目手術後1.5カ月が経過した状態です。耳の溝も綺麗にでています。

2回目手術後 9カ月経過
2回目手術後 9カ月経過
2回目手術後 9カ月経過
2回目手術後 9カ月経過
2回目手術後 9カ月経過
2回目手術後 9カ月経過

耳介は後戻りすることなく立っています。また皮膚の色もなじんでいます。

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今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。
■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染(MRSAなど)、移植軟骨の露出

③糸やワイヤーの露出
傷跡が目立つ
薄毛・脱毛
長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。

※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。

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