耳垂残存型小耳症(右耳)の肋軟骨移植術 2023/3/7
S.Yさん手術時9歳女児の1回目小耳症手術記録
施設名 | 担当医師 |
---|---|
成田富里徳洲会病院 | 丸山成一 (ヒルズ美容クリニック) |
中島康代 (成田富里徳洲会病院) |
解説
耳垂残存型小耳症の症例です。小耳症1回目の手術『肋軟骨移植術』を行いました。手術後8カ月が経過した状態では耳の輪郭がでてきているのが確認できました。
手術と経過
STEP 01
耳垂残存型小耳症の手術前の状態です。
STEP 02
透明フイルムに印刷した本人サイズの設計図を用いて耳介の正常な場所と大きさを決定します。
STEP 03
皮弁形成を行いました。
- 耳垂前面皮弁
- 耳垂後面皮弁
- 乳突洞部皮弁
- 耳珠用皮弁
すべての遺残耳介軟骨を摘出しました。皮下ポケットを作成しました。
STEP 04
3次元肋軟骨フレームを皮下ポケットへ移植して再建した耳介です。
STEP 05
徐々に耳介の輪郭がでてきているのが分かります。
1年後、耳介挙上術(耳立て)を行います。
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今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。
■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染(MRSAなど)、移植軟骨の露出
③糸やワイヤーの露出
④傷跡が目立つ
⑤薄毛・脱毛
⑥長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
⑦長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。
※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。
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