耳垂残存型小耳症(右耳)の耳立て手術 2024/6/4

施設名担当医師
成田富里徳洲会病院丸山成一
(ヒルズ美容クリニック)  
中島康代
(成田富里徳洲会病院)

解説

昨年3月に成田富里徳洲会病院で、1回目肋軟骨移植術を行った症例です。1回目手術から約1年3カ月が経過し、このたび耳介挙上術(耳立て手術)を行いました。

2回目手術(耳介挙上術)後、10.5カ月が経過した状態ですが、再建した耳は後戻りせずしっかり立っています。

手術と経過

耳垂残存型小耳症1回目手術前の状態
1回目手術前の右耳の状態(耳垂残存型小耳症)
耳垂残存型小耳症1回目手術後1年3カ月経過、2回目手術前の状態
1回目手術後1年3カ月経過
2回目手術前の右耳の状態
1回目手術後1年3カ月経過
2回目手術前の右耳の状態
1回目手術後1年3カ月経過
2回目手術前の状態
健側の耳(左耳)

健側(左耳)を参考に耳を立てます。

耳垂残存型小耳症2回目手術(耳立て)のデザイン
デザイン

術前のデザインです。

浅側頭動脈に沿ってデザインを行っています。

耳垂残存型小耳症2回目手術(耳立て)の術中、頭皮分層皮膚を採取し、浅側頭筋(TPF)を挙上
術中

頭皮分層皮膚を採取しています。

浅側頭筋(TPF)を挙上しています。

耳垂残存型小耳症2回目手術(耳立て)の術直後
2回目手術(耳立て)直後
耳垂残存型小耳症2回目手術(耳立て)の術直後、上から見た耳の状態
2回目手術(耳立て)直後

再建した耳介はしっかり立っています。

2回目手術後 10.5カ月経過(側面)
2回目手術後 10.5カ月経過(斜め)
2回目手術後 10.5カ月経過(耳裏)
2回目手術後 10.5カ月経過(正面)

2回目手術後、10.5カ月が経過した状態です。耳裏はまだ傷跡が少し目立ちますが、皮膚の色は赤みもなく落ち着いています。

この患者様の全ての手術記録 → 


今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。
■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染(MRSAなど)、移植軟骨の露出

③糸やワイヤーの露出
傷跡が目立つ
薄毛・脱毛
長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。

※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。

※ブログの文章、写真画像、イラスト等の著作権はヒルズ美容クリニック及び関連会社が保有します。許可なく無断複製・引用・使用を禁じます。