耳甲介型小耳症(右耳)の耳立て手術 2026/8/4

Y.O君初回手術時9歳男児の2回目小耳症手術記録

施設名担当医師
成田富里徳洲会病院丸山成一
(ヒルズ美容クリニック)  
中島康代
(成田富里徳洲会病院)

解説

耳甲介型小耳症の状態(1回目肋軟骨移植術前の右耳)

2025年7月に成田富里徳洲会病院で、1回目肋軟骨移植術を行った耳甲介型小耳症患者様です。※写真は最初の耳甲介型小耳症の状態。

このたび永田法における2回目の手術として、耳介挙上術を行いました。

※1回目手術の様子はこちら→『耳甲介型小耳症(右耳)の肋軟骨移植術 2025/7/29』

【耳甲介型小耳症とは】耳甲介型小耳症は、耳たぶ(耳垂)や耳珠、耳のくぼみ(耳甲介)は比較的形成されている一方で、耳の上部の構造が十分に作られていないタイプです。そのため、耳全体を再建するタイプの小耳症に比べ、欠損している部分を中心に再建を行います。

1回目手術後約1年が経過した右耳の状態

初回手術から約1年が経過した状態です。初回手術では、肋軟骨を用いて耳介を本来あるべき位置に再建しましたが、この時点ではまだ耳は頭部に沿った状態で立ち上がっていません。

手術と経過

術前(1回目手術後約1年経過の状態)
術前(右側面)
術前(右斜め)
術前(正面)
術前(背面)
術前(左斜め)
術前(左側面)

健側の左耳の角度を参考に耳介を立てます。

手術デザイン

耳介挙上術のデザインです。

術中

浅側頭筋膜(TPF)を挙上しています。

作成した肋軟骨ブロックを耳裏に挿入して浅側頭筋膜(TPF)でカバーします。

カバーしたTPFの上に、頭皮から採取した皮膚(頭皮分層皮膚)を移植します。

術直後

手術直後の状態です。直後は腫れや赤みがみられますが、経過とともに徐々に改善していきます。腫れが落ち着くにつれて、耳介の輪郭もはっきりと現れていきます。

耳の角度

耳はしっかり立ち上がっています。

この患者様の全ての手術記録 → 


今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。
■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染(MRSAなど)、移植軟骨の露出

③糸やワイヤーの露出
傷跡が目立つ
薄毛・脱毛
長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。

※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。

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