耳甲介型小耳症(右耳)の肋軟骨移植術 2026/7/28

I.S君手術時11歳男児の1回目小耳症手術記録

施設名担当医師
成田富里徳洲会病院丸山成一
(ヒルズ美容クリニック)  
中島康代
(成田富里徳洲会病院)

解説

右耳が耳甲介型小耳症の症例

この患者様は、左耳が折れ耳、右耳が耳甲介型(じこうかいがた)小耳症です。

左耳の折れ耳は、耳の上部が前方へ折れ曲がっている状態で、2024年12月に手術を行い、現在まで良好な経過をたどっています。左耳の折れ耳手術の様子はこちら⇒「折れ耳(左耳)の耳介形成術 2024/12/17」

今回は、右耳の耳甲介型小耳症に対する第1回目の手術(肋軟骨移植術)を成田富里徳洲会病院で行いました。

【耳甲介型小耳症とは】耳甲介型小耳症は、耳たぶ(耳垂)や耳珠、耳のくぼみ(耳甲介)は比較的形成されている一方で、耳の上部の構造が十分に作られていないタイプです。そのため、耳全体を再建するタイプの小耳症に比べ、欠損している部分を中心に再建を行います。

手術と経過

術前(右耳小耳症)
術前(右小耳症側の側面)
術前(斜めから見た右耳)
正面から見た状態
背面から見た状態

手術デザイン
手術デザイン

肋軟骨移植術のデザインです。

右側:永田法の紙型
左側:3次元肋軟骨フレーム

採取した肋軟骨で、3次元肋軟骨フレームを作成します。

下半分のパーツはもともとあるので、上半分を作成しています。

術中

皮弁形成を行いました。

  • 乳突洞部皮弁
  • 耳珠用皮弁

すべての変形のある上半分の耳介軟骨を摘出しました。皮下ポケットを作成しました。

術直後

術直後の状態です。耳垂(耳たぶ)が通常より大きく見えますが、これは、次回行う耳介挙上術で耳の後面を作る際に必要な皮膚を確保するため、耳垂を切り取らず余裕を持たせて残しているものです。

また、余った肋軟骨は今後必要になった場合に使用できるよう、右胸の皮下にバンキング(保存)しています。

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今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。
■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染(MRSAなど)、移植軟骨の露出

③糸やワイヤーの露出
傷跡が目立つ
薄毛・脱毛
長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。

※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。

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