無耳症(右耳)の耳立て手術 2026/6/30

施設名担当医師
成田富里徳洲会病院丸山成一
(ヒルズ美容クリニック)  
中島康代
(成田富里徳洲会病院)

解説

術前(右側面から見た状態)

2025年8月に成田富里徳洲会病院で、1回目肋軟骨移植術を行った無耳症の小耳症患者様です。※写真は最初の無耳症の状態。

1回目手術の様子はこちら→『無耳症(右耳)の肋軟骨移植術 2025/8/19』

無耳症とは、耳介がほとんど形成されておらず、耳たぶ(耳垂)を作るための組織も十分にない状態です(本来耳がある位置とは離れた場所に、小さな耳たぶや副耳〈福耳〉がみられる場合もあります)。そのため、他の小耳症のタイプと比べて手術は複雑になり、耳の形や耳たぶを一から作るような再建が必要になります。

永田法小耳症では、小耳症は大きく5つのタイプに分けます
1回目肋軟骨移植術から10.5カ月が経過した状態

2025年8月に行った1回目の肋軟骨移植術から10.5カ月が経過した状態です。初回手術では、肋軟骨を用いて耳介を本来あるべき位置に再建しましたが、この時点ではまだ耳は頭部に沿った状態で立ち上がっていません。今回は、永田法における2回目の手術として、耳介を立ち上げる「耳介挙上術」を行いました。

手術と経過

2回目手術前(再建された挙上前の右耳)
2回目手術前(側面から見た右耳の状態)
2回目手術前(斜めから見た右耳の状態)
2回目手術前(正面から見た状態)
2回目手術前(背面から見た状態)
2回目手術前(斜めから見た健側の左耳)
健側の左耳

耳介挙上術(耳立て手術)の手術前の状態です。健側の左耳を参考に耳を立てます。

デザイン

耳介挙上術のデザインです。

術中

浅側頭筋膜(TPF)を挙上しています。

作成した肋軟骨ブロックを耳裏に挿入して浅側頭筋膜(TPF)でカバーします。

カバーしたTPFの上に、頭皮から採取した皮膚(頭皮分層皮膚)を移植します。

術直後

手術直後のため、腫れや赤みがみられますが、時間の経過とともに徐々に落ち着いていきます。

術直後
術直後の耳の角度
術直後の耳裏

どの角度から見ても耳は自然に立ち上がり、立体感のある耳介が再建されています。また、皮膚の色調も周囲になじみ、自然な見た目となっています。

この患者様の全ての手術記録 → 


今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。
■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染(MRSAなど)、移植軟骨の露出

③糸やワイヤーの露出
傷跡が目立つ
薄毛・脱毛
長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。

※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。

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