耳垂残存型小耳症(左耳)の耳立て手術 2026/6/2
Y.S君初回手術時8歳男児の2回目小耳症手術記録
| 施設名 | 担当医師 |
|---|---|
| 成田富里徳洲会病院 | 丸山成一 (ヒルズ美容クリニック) |
| 中島康代 (成田富里徳洲会病院) |
解説

2025年3月に成田富里徳洲会病院で、1回目肋軟骨移植術を行った耳垂残存型(じすいざんぞんがた)小耳症患者様です。※写真は最初の耳垂残存型小耳症の状態。
1回目手術の様子はこちら→耳垂残存型小耳症(左耳)の肋軟骨移植術 2025/3/4
耳垂残存型小耳症は、耳垂(耳たぶ)だけが形成されているタイプです。耳珠や耳甲介などは欠損しており、耳介全体を新たに作るケースが多いです。


2025年3月の初回手術(肋軟骨移植術)から1年3カ月が経過した状態です。耳介は本来あるべき位置に出来ています。この状態ではまだ耳は立っていません。このたび、永田法における2回目の手術で、耳を立てる「耳介挙上術」を行いました。
写真は2回目手術前の時点ですが、耳の前方に皮膚の余りが目立ち、全体的にもったりとした印象があります。しかし、これは2回目手術での修正を前提として意図的に残したものです。
1回目手術の段階では、皮膚が厚いことに加え、作成した耳の前方に余剰皮膚が多く存在していました。また、健側の耳が比較的立っていたため、それに合わせて耳介を強く立てると、余った皮膚が耳の前方にさらに集中し、不自然な膨らみの原因となる可能性がありました。
そのため1回目手術では無理に形態を整えることはせず、今回の耳介挙上術(2回目手術)の際に、余剰皮膚の処理を行いながら耳介形態を整える方針としました。
手術と経過
STEP 01





耳介挙上術(耳立て手術)の手術前の状態です。
STEP 02

耳介挙上術のデザインです。
STEP 03

浅側頭筋膜(TPF)を挙上しています。
作成した肋軟骨ブロックを耳裏に挿入して浅側頭筋膜(TPF)でカバーします。
カバーしたTPFの上に、頭皮から採取した皮膚(頭皮分層皮膚)を移植します。

耳前方の余剰皮膚を処理しました。
STEP 04


健側の耳介の角度に合わせて、耳をしっかりと立てています。
術直後のため腫れや赤みが目立ちますが、経過とともに改善します。また、耳の溝も徐々に形成され、より自然な耳の形になっていきます。
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今回の手術の術後合併症
■重篤な合併症
顔面神経や血管の走行に異常を認めることが多く、手術によって顔面神経麻痺や皮膚壊死を起こすことがあります。
また軟骨の採取部位では気胸・血胸・心タンポナーデの可能性があります。
■その他の合併症
①皮弁の生着不良・壊死
②感染(MRSAなど)、移植軟骨の露出
③糸やワイヤーの露出
④傷跡が目立つ
⑤薄毛・脱毛
⑥長時間同じ体位による環軸椎亜脱臼{第一頸椎(環椎)と第二頸椎(軸椎)}
⑦長時間同じ体位による褥瘡
⑧その他、予測不可能な合併症
以上のような合併症が起こった場合は、再手術や処置を行う場合もありますが、不可逆的な状態もありえますのでご了承ください。
※ここに供覧した症例は、小耳症の手術をご理解いただくためのものです。症例により結果は異なります。
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