永田法による小耳症手術

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永田悟医師の手術症例

このページでは永田法による小耳症手術の参考として、故・永田悟医師が手術した症例を掲載しています。

※このページに記載された入院費用・詳細等は「永田小耳症形成外科クリニック」で手術を行った患者様の例です。現在の『永田法による小耳症手術』は入院費用・詳細等が異なりますのでご注意ください。詳細はヒルズ美容クリニックまで直接お問い合わせください。

通常の耳介再建手術の例

年長者の小耳症(ねんちょうしゃのしょうじしょう)

症例① 65歳、右耳垂残存型小耳症

年長者の小耳症手術前

年長者の小耳症手術後

術 前

遺残耳介と耳垂が存在「耳垂残存型小耳症」65歳の症例

治療は半年間隔で全身麻酔下に2回の手術を行います。
麻酔は麻酔専門の医師が行います。
第1回目の手術時間は8時間、麻酔時間は9時間となります。
第2回目の手術時間は9時間、麻酔時間は10時間となります。

第1回目手術

まず第1回目手術では、胸部より4本の肋軟骨を採取し、彫刻刀を用いて6個のパーツを作り、それぞれのパーツを細いステンレスワイヤーで85か所固定して3次元の耳介形態を作成します。これを3次元肋軟骨フレームと言います。年長者の肋軟骨は若年者に比べて骨化し固くなり、曲がりにくくなくなっているので耳輪の作成法に工夫し、ワイヤーの針も肋軟骨を貫通しなくなっている場合が多く、穴をあけるためのエアトームを使います。
耳垂を耳垂前面皮弁、耳珠用皮弁、耳垂後面皮弁に分割します。すべての遺残耳介軟骨を摘出して皮下ポケットを作成します。皮下ポケットの中に3次元肋軟骨フレームを挿入し皮弁を縫合し、耳介の表が再建できます。
手術時間は8時間かかります。麻酔時間は9時間となります。

第2回目手術

「耳立て手術」

前胸部から2本の肋軟骨を採取し、3個のパーツを作成します。それらを細いステンレスワイヤーで20か所固定し、半月状肋軟骨ブロックを作成します。
再建した耳介の後上方から頭皮分層皮膚を採取します。側頭部からは浅側頭動静脈を含むtemporoparietal fascia flap [TPF]を挙上します。
再建した耳介の後方から切開して側頭部から分離し、耳の前方を付着した状態で耳を立てます。再建耳介と側頭部の間に半月状肋軟骨ブロックを移植して縫合固定し耳を立てます。
30度の角度で耳を立てるために移植肋軟骨ブロックの厚みは14mm必要です。さらに耳介後面すべてをTPFで被覆します。その上に頭皮分層皮膚を移植します。
結果として再建耳介が30度の角度で立ち、耳介後面の移植部皮膚は色調も良好で血行の良い耳介が再建できるので、移植肋軟骨の吸収萎縮変形を起こしにくい方法となっています。
第2回目の手術時間は9時間かかります。麻酔時間は10時間となります。

症例② 65歳、偽外耳道が正常な場所よりも前方に存在する非定形型小耳症

年長者の小耳症

年長者の小耳症

年長者の小耳症

術 前

65歳の症例。術前の形態は、耳垂が存在し、正常より前方に外耳道も存在します。耳介上方の遺残耳介は小さく不完全なので、やはり第1回目の3次元肋軟骨フレーム移植による耳介再建とその半年後に第2回目の耳立て手術が必要です。

第1回目手術

耳垂を耳垂前面と後面に分割し皮弁形成を行います。耳介の遺残耳介軟骨の大部分を摘出します。さらに皮下ポケットを作成します。外耳道入口部を切開し皮下茎皮弁とし、後方へ移動し耳珠用皮弁の下方へと移動します。
小耳症と同側の前胸部から肋軟骨膜を剥離して肋軟骨本体を4本採取し、3次元肋軟骨フレームを作成します。採取した肋軟骨を彫刻刀で削り、5カ所のパーツを作成します。38ゲージの細い医学用ステンレスワイヤーで80カ所固定して5個のパーツを組み合わせ「耳甲介型用の3次元肋軟骨フレーム」を作成します。年長者の肋軟骨は骨化しているため固く、3次元肋軟骨フレーム作成は困難となります。完成した3次元肋軟骨フレームを皮下ポケットへ移植し、皮弁を移動し縫合します。縫合終了後に皮下ポケットへ細いチューブを挿入し体液を吸引すると、その瞬間に耳の輪郭が突然現れます。その時点でも余った皮膚のみを切除縫合します。皮膚と3次元肋軟骨の表面が立体的に同じ面積で密着した状態を10日間は保つ必要があるので、陥凹部と耳介周囲にガーゼを詰めてボルスター縫合固定を行います。
肋軟骨採取部には、開いた肋軟骨膜の中に3次元肋軟骨を作成した際に余った肋軟骨をみじん切りにして入れ戻し、体液が漏れないように密に肋軟骨膜を縫合します。さらに筋肉、脂肪、皮膚を縫合します。肋軟骨採取部に新たな肋軟骨が再生し、胸郭の陥没変形を起こしません。
手術時間は8時間かかります。麻酔時間は9時間となります。
術後2日おきに包帯交換を行います。術後10日目を超えてから全抜糸を行います。耳を下にして寝て頭全体の加重がかかっても、傷が開かなるようになるまでの入院期間は1カ月必要です。

第2回目手術

「耳立て手術」

前胸部から2本の肋軟骨を採取し3個のパーツを作成します。それらを38ゲージの細い医学用のステンレスワイヤーで20か所固定し、彫刻刀で削り半月状の肋軟骨ブロックを作成します。再建耳介後方の側頭部から非常に薄い皮膚「頭皮分層皮膚」を採取します。
側頭部皮下には浅側頭動静脈が血行の豊富な膜が存在します。この血管をふくむ膜を挙上した状態をtemporoparietal fascia flap [TPF]を挙上した、と言います「イラスト参照」。
再建した耳介の後方を切開し、耳介の前方が付着した状態で側頭部から分離し耳を立てます。その分離した部位に半月状肋軟骨ブロックを移植し密に縫合固定して耳を立てます。耳を30度の角度で立てるためには肋軟骨ブロックの厚みが14mm必要です。
耳介後面から側頭部全体を「TPF」で被覆すると血行の良好な耳介となります。さらにTPFの上に頭皮分層皮膚を移植して耳が完成します。移植皮膚、TPF、肋軟骨ブロックを密着させておくために耳介の後ろにガーゼを詰め込み縫合固定します「タイオーバー縫合固定」。
第2回目の手術時間は9時間となります。麻酔時間は10時間となります。

【参考費用】

※ご注意※

下記に記載した費用・詳細は「永田小耳症形成外科クリニック」で手術を行った場合の費用です。現在の『永田法による小耳症手術』は費用・詳細が異なりますので直接お問い合わせください。

手術費用は原則保険診療。収入や年齢に応じて負担額は変動します。

公的制度を利用した場合の目安(入院費込み)/0円~121万3千円

症例写真は小耳症治療をご理解いただくために、参考資料として掲載させていただいています。それぞれの症状によって、手術結果は異なりますのでご了承ください。

■小耳症手術による合併症

一過性の顔面神経麻痺 浅側頭動・静脈の血行不良による植皮の生着不良 感染、移植軟骨の露出 気胸 術後肺炎 縫合不全 ハゲ 床ずれ その他

上記のような合併症が生じた場合は、症状に応じて対処致します。場合によっては再手術を行う可能性もあります。