永田法による小耳症手術

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永田悟医師の手術症例

このページでは永田法による小耳症手術の参考として、故・永田悟医師が手術した症例を掲載しています。

※このページに記載された入院費用・詳細等は「永田小耳症形成外科クリニック」で手術を行った患者様の例です。現在の『永田法による小耳症手術』は入院費用・詳細等が異なりますのでご注意ください。詳細はヒルズ美容クリニックまで直接お問い合わせください。

通常の耳介再建手術の例

無耳症(むじしょう)

無耳症あるいは臨床的無耳症

先天的に耳介が全く存在しない状態を無耳症と言う。あるいは、無耳症にさらに小さな耳垂や副耳が存在していたとしても、再建すべき場所から遥か遠くに耳垂や副耳が存在している場合、その耳垂や副耳は再建すべき場所に全く届かないので、切除するしかない。切除すると何も存在しなくなるので臨床的には無耳症と同じ状態となる。このような症例を臨床的無耳症と呼ぶ。 無耳症、あるいは臨床的な無耳症は、耳介が全く存在せず皮膚の表面積が不足するため、従来法の小耳症手術では耳介再建が不可能と言われていた。さらに無耳症にローヘアーラインを合併すると、ますます耳介再建は不可能と言われてきた分野だった。しかし永田法では、無耳症に対しても毛根切除後、3次元肋軟骨移植さらにTPF被覆、その上に頭皮分層皮膚「UDSTS」移植を行う事で、これらの困難な諸問題をも解決し、正常な場所に耳介再建を行うことが可能となった。

症例① 右耳・無耳症

頭髪低位の中でも生え際が極めて低く、従って術式が非常に複雑となる例

無耳症

手術前

無耳症手術中

第1ステージ手術中 デザイン(耳が存在すべき所に 髪がはえている)

無耳症手術後

第2ステージ手術後

無耳症手術後

第2ステージ手術後

■手術前

無耳症(anotia)の場合、一般に頭髪の生え際が低いケースが多く従って術式が複雑となる場合が多くなります。特にこの写真のケースのように生え際が極めて低い位置にある場合、より複雑な手順が必要となります。

■第1ステージ手術中

施術対象範囲(耳介となる予定の範囲)の約75%が頭髪部分であることがわかります。

■第2ステージ手術後

再建された耳介に発毛は全く見られません。このケースのように無耳症で頭髪の生え際が低いケースであっても良好な結果が得られます。

ローヘアーラインを伴う小耳症

術前に耳が存在すべき場所にまで髪の毛が下がって生えている場合をローヘアーライン「low hairline」を伴う小耳症と言います。このような小耳症では3次元肋軟骨フレームを移植して再建しても、再建した耳介に髪の毛が生えてしまいます。従来法のタンザー法では髪の毛が生える耳になってしまうか、髪の毛が生えない耳を作るために正常よりも前方か下方に不完全な耳介が形成され、再々建手術が必要になっていました「耳介の再々建手術参照」。

「ローヘアーラインを伴う小耳症の第1回目手術」

小耳症と同側の前胸部から4本の肋軟骨を採取し、彫刻刀とメスを用い6個のパーツに切り分け、38ゲージのステンレスワイヤーで85か所の固定を行って耳介の立体的な3次元肋軟骨フレームを作成します。肋軟骨膜を残して肋軟骨本体のみを採取しており、採取部の肋軟骨膜を元のように縫合するので、肋軟骨は再生され採取部に陥凹変形を起こしません。
耳介が存在すべき場所の外側周囲15mmを切開し、頭皮分層皮膚を採取します。そのあとで耳介が存在すべき場所の毛根部を切除し、髪の毛を生えないようにします。毛根を切除した部位に3次元肋軟骨フレームを移植し、その上をTPFで被覆します。「TPFとは、側頭部にある浅側頭動静脈の血管を含む血行の豊富な膜のことです。側頭部皮膚を切開してTPFを挙上します。」その3次元肋軟骨フレームを被覆したTPFの上に頭皮分層皮膚を移植して耳介再建を行います。陥凹部と耳介外側にガーゼを詰め、縫合固定「ボルスター縫合固定」を行って手術終了となります。
通常の小耳症と比較して、ローヘアーラインを伴う小耳症では手術法も髪の毛が生えない耳を作るために複雑となり、手術時間は10時間を超えます。麻酔時間は11時間を超えます。

「ローヘアーラインを伴う小耳症の第2回目手術」

前胸部から2本の肋軟骨を採取し3個のパーツを作成します。それらを38ゲージステンレスワイヤーで20か所固定し、半月状肋軟骨ブロックを作成します。再建した耳介の後方から切開し、耳介の後ろを側頭部から分離します「耳を立てます」。その後ろに厚さ14 mmの半月状肋軟骨ブロックを移植して密に縫合すると角度30度で再建耳介が立ちます。
移植した半月状肋軟骨ブロックを生かすためにも耳介の後ろの血行を良くするためにも、耳介後面全体を通常の小耳症手術ではTPFで被覆していますが、ローヘアーラインではTPFを使ってしまっているので、代わりとしてTPFの真下に存在するdeep temporal fascia [DTF]を挙上します。DTFは側頭部骨膜及び側頭筋筋膜へとつながる血行の良い組織です。DTFで耳介後面をすべて被覆しその上に頭皮分層皮膚を移植すると、困難なローヘアーラインであっても30度に立って色調も良い耳介が再建できます。
手術時間は9時間、麻酔時間は10時間を要します。

症例② ローヘアーラインを伴う臨床的無耳症

ローヘアーラインを伴う臨床的無耳症

ローヘアーラインを伴う臨床的無耳症

ローヘアーラインを伴う小耳症

術前に耳が存在すべき場所にまで髪の毛が下がって生えている場合をローヘアーライン「low hairline」を伴う小耳症と言います。このような小耳症では3次元肋軟骨フレームを移植して再建しても、再建した耳介に髪の毛が生えてしまいます。従来法のタンザー法では髪の毛が生える耳になってしまうか、髪の毛が生えない耳を作るために正常よりも前方か下方に不完全な耳介が形成され、再々建手術が必要になっていました「耳介の再々建手術参照」。

「ローヘアーラインを伴う小耳症の第1回目手術」

小耳症と同側の前胸部から4本の肋軟骨を採取し、彫刻刀とメスを用い6個のパーツに切り分け、38ゲージのステンレスワイヤーで85か所の固定を行って耳介の立体的な3次元肋軟骨フレームを作成します。肋軟骨膜を残して肋軟骨本体のみを採取しており、採取部の肋軟骨膜を元のように縫合するので、肋軟骨は再生され採取部に陥凹変形を起こしません。
耳介が存在すべき場所の外側周囲15mmを切開し、頭皮分層皮膚を採取します。そのあとで耳介が存在すべき場所の毛根部を切除し、髪の毛を生えないようにします。毛根を切除した部位に3次元肋軟骨フレームを移植し、その上をTPFで被覆します。「TPFとは、側頭部にある浅側頭動静脈の血管を含む血行の豊富な膜のことです。側頭部皮膚を切開してTPFを挙上します。」その3次元肋軟骨フレームを被覆したTPFの上に頭皮分層皮膚を移植して耳介再建を行います。陥凹部と耳介外側にガーゼを詰め、縫合固定「ボルスター縫合固定」を行って手術終了となります。
通常の小耳症と比較して、ローヘアーラインを伴う小耳症では手術法も髪の毛が生えない耳を作るために複雑となり、手術時間は10時間を超えます。麻酔時間は11時間を超えます。

「ローヘアーラインを伴う小耳症の第2回目手術」

前胸部から2本の肋軟骨を採取し3個のパーツを作成します。それらを38ゲージステンレスワイヤーで20か所固定し、半月状肋軟骨ブロックを作成します。再建した耳介の後方から切開し、耳介の後ろを側頭部から分離します「耳を立てます」。その後ろに厚さ14 mmの半月状肋軟骨ブロックを移植して密に縫合すると角度30度で再建耳介が立ちます。
移植した半月状肋軟骨ブロックを生かすためにも耳介の後ろの血行を良くするためにも、耳介後面全体を通常の小耳症手術ではTPFで被覆していますが、ローヘアーラインではTPFを使ってしまっているので、代わりとしてTPFの真下に存在するdeep temporal fascia [DTF]を挙上します。DTFは側頭部骨膜及び側頭筋筋膜へとつながる血行の良い組織です。DTFで耳介後面をすべて被覆しその上に頭皮分層皮膚を移植すると、困難なローヘアーラインであっても30度に立って色調も良い耳介が再建できます。
手術時間は9時間、麻酔時間は10時間を要します。

【参考費用】

※ご注意※

下記に記載した費用・詳細は「永田小耳症形成外科クリニック」で手術を行った場合の費用です。現在の『永田法による小耳症手術』は費用・詳細が異なりますので直接お問い合わせください。

手術費用は原則保険診療。収入や年齢に応じて負担額は変動します。

公的制度を利用した場合の目安(入院費込み)/0円~121万3千円

症例写真は小耳症治療をご理解いただくために、参考資料として掲載させていただいています。それぞれの症状によって、手術結果は異なりますのでご了承ください。

■小耳症手術による合併症

一過性の顔面神経麻痺 浅側頭動・静脈の血行不良による植皮の生着不良 感染、移植軟骨の露出 気胸 術後肺炎 縫合不全 ハゲ 床ずれ その他

上記のような合併症が生じた場合は、症状に応じて対処致します。場合によっては再手術を行う可能性もあります。

「無耳症」手術法の解説(永田悟医師)

第1回目手術

◆ 3次元肋軟骨フレームの作成

1st stage

  • 1: 小耳症と同側の第6、7、8そして9番の肋軟骨を採取する。
  • 2: 採取した4本の肋軟骨。これらの肋軟骨から、メスと彫刻刀を用いて耳珠、ベースフレーム、耳輪脚と耳輪、上行脚と下行脚および対輪、を作成する。ベースフレームは、第6、第7番の肋軟骨から2個のパーツを作成し、38ゲージステンレスワイヤーを用いて6か所固定し作成する。
  • 3: ベースフレームに第8番肋軟骨から作成した耳輪脚、耳輪のパーツの耳輪脚先端をベースフレーム8の中央で裏側に38ゲージワイヤーで2か所固定する。
  • 4: 耳輪の部分をベースフレームの上に乗せて、曲げながら3mmおきにワイヤー固定する。
  • 5: 上行脚、下行脚、対輪のパーツをベースフレームにワイヤー固定する。
  • 6: 耳珠のパーツをベースフレームに固定する。
  • 7: 耳甲介部をベースフレームの裏側にワイヤー固定すると3次元肋軟骨フレームが完成する。

【ローヘアーラインを伴う臨床的無耳症の第1回目手術】
◆ 3次元肋軟骨フレームを皮下に移植し耳介再建

無耳症ファーストステージ

  • A: ローヘアーラインを伴う臨床的無耳症の術前の状態。
  • B、C: 手術デザイン。
  • C、D: 耳介が存在すべき場所に髪の毛が70%を超える部分に生えている超ローヘアーラインの状態。耳介が存在すべき場所の外側周囲15から20mm外側を切開し、頭皮分層皮膚を採取する。
  • E: 耳介が存在すべき場所の毛根部を切除する。
  • F、G、H: 毛根を切除した部分に3次元肋軟骨フレームを移植しその上をTPFで被覆する。
  • I: 3次元肋軟骨フレームをTPFで被覆した部分に頭皮分層皮膚を移植する。
  • J: 最後にボルスター固定を行う。

第2回目手術: 再建耳介の耳立て手術

【ローヘアーラインを伴う臨床的無耳症】

無耳症ファーストステージ

第1回目手術で、すでにTPFを使用しているので、耳介の後面を被覆するためにDTFを使用する。

  • A: 術前の状態。
  • B: 手術デザイン、前回の切開線と同じ切開を行いDTFを挙上する。
  • C: もともとあった耳介に届かない場所の後方に残った副耳を切除する。又、耳介周囲を切開する。
  • D: DTFを挙上する。頭皮分層皮膚を採取する。
  • E: 耳介後面を剥離して耳を立てさらに側頭部皮下を剥離する。
  • F: 耳介後面に新たに作成した厚さ14mmの半月状の肋軟骨ブロックを移植し縫合し、耳を後方から支えて耳介を30度の角度に立てる。
  • G: 耳輪、耳介後面、半月状移植肋軟骨、側頭部、乳突洞部を広くDTFで被覆する。又、側頭部、乳突洞部皮膚を縫合縮小する。
  • H、I: DTF部分に頭皮分層皮膚を移植する。最後にタイオーバー固定を行う。